山村学園打線、読みの鋭さを発揮し、作新学院投手陣も攻略しベスト4



坪井蒼太、酒井大輝

<春季関東地区高校野球大会:山村学園5-1作新学院>◇24日◇準々決勝◇栃木県総合運動公園

 強打で勝ち上がった山村学園(埼玉)が、試合巧者の作新学院(栃木)も圧倒した。

 山村学園打線について、見逃しをせず、ストライクゾーンをどんどん振っていく対応力の高さ、積極性の高さを市立船橋戦で紹介したが、それに加えて相手投手のタイプを見極めて、準備ができる点も優れている。

 1回、第1打席に入った高校通算32本塁打のスラッガー・坪井 蒼汰内野手(3年)は冷静だった。作新学院の先発、左腕・横尾潤投手(3年)に対しても「変化球中心の攻めが来ると予想していて、その変化球に対してしっかりと合わせることができました」といきなり適時打を放って見せた。4回、先頭打者として迎えた2打席目も変化球で交わされたが、ライト方向へ二塁打で出塁。すると続く4番・酒井 大輝外野手(3年)が適時三塁打、5番・千葉 智也内野手(3年)も右前安打を放って、3対0とした。

 そして高校通算10本塁打の4番酒井も強打を発揮する。

 6回表から144キロ右腕・小川 哲平投手(1年)がマウンドに立つ。酒井は小川が自信満々に投げ込んだ141キロの速球をしっかりとミートし、左翼線へ二塁打を放つ。その後、6番・山田 浩太捕手(3年)の適時打、8番・山田翼投手(3年)の適時打で5対1と突き放した。

 

 満遍なく打つ山村学園打線の中心は3番・坪井、4番・酒井が中心だ。坪井は酒井について「振る力が凄くて、酒井がいるからこそ、安心して打つことができる」と信頼を寄せ、酒井も、「いつも回してくれるので、頼もしい。自分は本塁打数(通算10本塁打)で負けるが、打率では負けない」と、2試合で打率.667と坪井の打率.625を上回る。

 またエースの山田が快投。初戦の市立船橋(千葉)戦よりも直球が走っており、常時135キロ前後の速球には威力があった。スライダーのキレもよく、作新学院の好打者たちを次々と打ち取った。走者を許しても外野手の好捕、3併殺と守備のサポートもあり1失点完投勝利を挙げた。川越ボーイズ時代は全くの無名。入学当時は125キロだった。それでも岡野監督を始めとした首脳陣が認める努力家で、昨年まではベンチ入り候補にも挙がっていなかった投手が着実に結果を残し、今や山村学園のエースへ成長した。

「伸び率では今年の選手ではトップクラスです」と岡野監督も成長を称える。フォームを変えたことで、ここまで速球がスピードアップしたという。これまで沈み込みだったフォームを感覚的に振り下ろす動作に変えたことで球威がアップした。

 これで3年ぶりの準決勝進出。関東一について岡野監督は「とても強いチームです。ベスト4まで勝ち上がった他の3校は私達より断然、格上のチームです。だからこそ挑戦者のつもりでぶつかっていきます」と意気込んでいた。

(記事:河嶋 宗一

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