短評

　春季埼玉県大会で準優勝を飾った山村学園。そのなかで左のエースを務め、県大会では主にリリーフで活躍を見せたのが佐藤実倫投手（3年）である。

　中学は東北楽天シニアでプレーし、中学3年間で全国大会の舞台も経験している。山村学園には「中学時代に関東や関西のチームに勝てなかったので、高校では常にレベルの高いところに行きたい」という思いから、高い志をもって練習に取り組んで着実に力を蓄えた。

　旧チームからも登板実績がある経験豊富なサウスポーは、山村学園のトレーニングに重きを置く指導方針を通じて体重が増加した。その成果があってか球速が10キロアップにつながり、昨年秋の段階では最速132キロを計測。さらに切れのある変化球も駆使して打者を翻弄する。

　セットポジションから始動し、左の股関節に一度重心をしっかり乗せてから重心移動。スムーズに移動して右足を着地させると、勢いよく腰を回転して左腕を振り切る。横回転のフォームからキレのある球を投げ込む。

　春の大会は直前でのケガの影響で満足いく状態ではなく、リリーフに回ったとはいえ、チームの準優勝に大きく貢献した。決勝戦では、センバツ4強入りした浦和学院戦でも8回途中3失点と堂々たる投球を見せた。関東大会でも自分の持てる実力を発揮するつもりだ。