手のひらを冷却して深部体温を下げよう

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2019.08.20

手のひらを冷却すると深部体温が下がりやすくなる。冷えたペットボトルなどを使おう。

 熱中症の予防対策としてまず挙げられるのが、こまめな水分・塩分補給です。特に屋外で激しい運動を行う野球選手は、汗をかく量も多くなるため、体内の水分や塩分が失われやすく、体温も上がりやすくなります。熱中症は体温をうまく調節できないことで起こりますので、体温が急激に上がってしまわないようにさまざまな対策を取ることが大切です。

 最近では熱中症予防やパフォーマンスの向上を狙い、手のひらを冷やす方法なども注目されています。手のひらには動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)と呼ばれる動脈と静脈を結ぶバイパスのような役割をもつ血管があるのですが、体温が高くなってくると普段閉じられている血管が開き、大量の血液が流れる仕組みになっています。この部分を冷やすことで血液を適度に冷却し、深部体温(脇の下ではなく、直腸で測定された体温)を下げる効果が期待できると言われています。動静脈吻合は手のひら以外にも足の裏や顔の頬などにも多く存在するため、こうした部分も冷やすようにするとより深部体温が下がりやすくなると考えられます。

 さらにパフォーマンスの向上を目的とする場合には、運動前や運動中に深部体温を下げることが望ましいと言えます。運動すると体温は上昇しますが、深部体温が40℃を超えるようになると急激に体が動かなくなってしまいます。深部体温が上がらないように手のひらなどを冷却することで、体が動かなくなるような状態を防ぐ狙いがあります。

 手のひらを冷却する場合は、無理なく手をつけていられる程度の冷たい水(10〜15℃程度)に5〜10分ほど手のひらを浸しておくと良いでしょう。氷水のように冷たすぎる水はかえって刺激が強くなりすぎて血管を収縮させてしまい、血流が悪くなってしまいます。適度に冷えたペットボトルなどを使っても良いでしょう。ただし脱水の症状があったり、熱中症の疑いがある場合は手のひらだけではなく、脇の下や股の付け根などを中心に全身をすみやかに冷却して深部体温を下げるように対応しましょう。

文:西村 典子
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