上位進出を狙う戸畑の選手たち

 九州国際大付折尾愛真、さらには真颯館といった強豪私学。そして甲子園出場実績を持つ東筑といった実力ある公立校もいる北九州地区で、上位進出を狙っている戸畑。

 今回の事態を受けて活動自粛があった戸畑は、練習メニューをチームでは固定にせず、選手たちそれぞれで考えさせた。そのメニューを1週間分まとめて江藤高志監督に選手たちがLINEで報告。疑問点や質問があれば映像を送ってもらい、江藤監督がアドバイスを送ることもあった。

 さらにZoomを使ってトレーニングの様子を確認したり、選手たちがミーティングを開いたりするなど、あらゆる形で選手たちと指導者がコミュニケーションをとった。「普段の練習だと1人1人きっちり細かく見られないので、映像を送ってもらえると細かな指導ができるので、新しい発見です」と江藤監督の中では得られたものがあった。

 しかし5月20日に甲子園が中止。さらに福岡県では5月25日に独自大会の中止も発表していた。この時、江藤監督は3年生に言葉を選びながらだが、「最後の花道となる練習試合は組む。お前たちのことは先生たちが考えるから、被害者意識を持たず、周りのために動いてほしい」とメッセージを送った。

 大学などの上のステージで継続する選手に関しては毎日来ていたが、原則3年生は引き継ぎ期間という形で、週3日を目安に後輩たちのために練習のサポート来てもらうようにしていた。そうした中で、福岡では一転して独自の大会を開催することを発表。最後の舞台が準備されることとなった。

 戸畑は6月10日から一斉登校が始まったと同時に本格的に部活動を再開。最初は気持ちが切れた状態だったため、「集大成の舞台があり全員で頑張れると思いましたが、モチベーションを上げるのは大変でした」と振り返る。しかし現在は土日には練習試合を組むなど、実戦を通じてチームの課題を見つけながら調整を続けている。

 練習試合では既にホームランが飛び出すなど野手陣に関しては好調。なかでも1番ショートで出場する2年生・藤野 恵音。1年生春から試合に出場し続け、打率は4割越え。14日にやった練習試合では1打席目の初球でホームランを放つ活躍。

 思い切りの良さを持つチームの顔でもあり、3年生からも「独自大会には藤野も出てほしい」と言われるほどの存在感がある。注目切り込み隊長が打線を牽引する。

 一方、投手陣はテンポや試合の流れなどを思い出してきたが、まだ調整不足であることを江藤監督は課題に挙げる。

 「引退した3年生が体重を増やしてパフォーマンスが上がるのと同じで、今回の長期休みは普通であればないことですので、『レベルアップしてくるのではないか』と楽しみにしている部分はありました。
 ただ、投手陣は打者に向かって投げられていない分、調整不足は否めないです。投げ込み不足で肩のスタミナや、制球力はまだまだですので、もう少し投げ込んで独自大会に入れればと思います」

 投手陣を中心とした守りからリズムを作る形で戦ってきた戸畑。独自大会も戸畑らしい野球で戦うことを考えている江藤監督にとってキーマンとなるのがエースの荒木 誠也だ。

 「調子が良ければ140キロを超えてくる力はあります。まだ137キロくらいですが、彼がエースであり大黒柱ですね。そこに2年生の左右の投手を使って継投できればと思います」

 大会は7月18日から始まる。「練習試合を戦ってみて、投手陣がし上がれば戦えることがわかりましたので、投げ込みと体づくりをきちんとやって大会に入れればと思います」と江藤監督の中で課題は明確化されている。それをどこまで詰めていけるのかが、上位進出のカギを握るだろう。

(記事=編集部)

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