高校時代の坂本 誠志郎(履正社出身)

 2023年シーズンの開幕も目前となった。長いシーズンを戦う上での準備期間にあたるオープン戦で、昨シーズンは不本意な成績に終わりながらも好結果を残している選手たちが各球団に複数いる。

 岡田 彰布新監督体制となった阪神では、坂本 誠志郎捕手(履正社)が猛アピールしている。岡田監督は正捕手を固定する方針を打ち出しており、その座は梅野 隆太郎捕手(福岡工大城東出身)が有力視されていた。一方でここ2年連続打率1割台と苦しんでいた坂本が3月23日終了時点でオープン戦打率.368(19打数7安打)と好調。単純比較はできないものの、出場試合数も13試合で梅野の10試合より3試合多い。開幕1軍はもちろん、正捕手を狙える位置にいる。

 日本ハムから交換トレードで移籍してきた渡邉 諒内野手(東海大甲府出身)も結果を出している。昨シーズンは打率.233(60打数14安打)と低迷。出場試合数も21試合も1軍で出場機会が多くなった2017年以降でワースト。苦しい1年だった。心機一転となった今年はここまで主に二塁で出場し、打率.310(29打数9安打)と打撃好調だ。

 侍ジャパンに合流していた中野 拓夢内野手(日大山形出身)が今シーズンは遊撃から二塁にコンバートされることで、渡邉は控えが濃厚ではある。しかし、これだけ打つことができれば、チャンスは巡ってくるはず。まずは開幕1軍の座をつかみそこからレギュラー奪取へと繋げたいところだ。

 投手では現役ドラフトで加入した大竹 耕太郎投手(済々黌出身)が先発ローテーションに入りそう。ソフトバンクに所属していた昨シーズンは2試合(2先発)の登板で防御率6.43。2021年も2試合(先発1試合)の登板で防御率15.75と結果が出ていなかった。しかし今年は3試合の登板で10回を投げ防御率3.60。3月5日のオリックス戦こそ3回4失点と打ち込まれるも、その他の2試合はともに3回以上を投げ無失点。好投を見せている。

 阪神の先発ローテーションは青柳 晃洋投手(川崎工科出身)、西 勇輝投手(菰野高出身)に才木 浩人投手(須磨翔風出身)、西 純矢投手(創志学園出身)と強力な布陣だが、大竹と同じ左腕の伊藤 将司投手(横浜高出身)が離脱。大竹は開幕ローテーションに入ってくることが濃厚だ。シーズンでも結果を残し、現役ドラフトから復活を遂げることができるだろうか。

<2022年シーズン成績>

坂本 誠志郎
60試合 打率.189(127打数24安打) 0本塁打 6打点

渡邉 諒
21試合 打率.233(60打数14安打) 0本塁打 2打点

大竹 耕太郎
2試合(7回)0勝2敗 防御率6.43

※数字は2023年3月23日終了時点

(記事=勝田 聡)