
オリックス・山下 舜平大
パ・リーグを2連覇中のオリックスにまたひとり楽しみな投手が現れた。2020年ドラフト1位の山下 舜平大投手(福岡大大濠出身)だ。
福岡大大濠(福岡)からオリックスに入団して3年目の右腕は、これまでに一軍の公式戦ではマウンドに立っていない。しかし、それにも関わらず昨年の日本シリーズではベンチ入りしていた。登板機会は訪れなかったものの、中嶋 聡監督ら首脳陣の期待の高さがうかがえる。
そんな山下が3月4日の阪神戦(甲子園/オープン戦)に登板。1回無失点、1奪三振と好投。最速は158キロを記録した。2度目の登板となった3月10日の巨人戦(京セラドーム/オープン戦)では3回3分の2を投げ無失点。丸 佳浩外野手(千葉経大附出身)や坂本 勇人内野手(光星学院出身)ら主力選手から三振を奪うなど、被安打1、奪三振5とここでも結果を出した。
まだオープン戦の登板とはいえ2試合で4回3分の2を投げ無失点。被安打1、奪三振6、そして与四球はなんと0。高卒3年目の投手としては、これ以上ない結果を出している。今シーズンの起用法は明らかになっていないが、オリックスは若い投手が主力を張っていることもあり山下にも同様の期待がかかってくる。
近年のオリックスにおける高卒右腕を見ると、ドラフトでは中位・下位指名からの叩き上げが目立つ。日本球界最高峰の成績を残している山本 由伸投手(都城高→2016年4位)を筆頭に中継ぎで昨年ブレイクした山﨑 颯一郎投手(敦賀気比高→2016年6位)と本田 仁海投手(星槎国際湘南高→2017年4位)もそうだ。
チームのドラフト戦略もあり、ドラフト上位(1位・2位)で指名した高卒右腕はそもそも少ない。山下の前はなんと2008年の甲斐 拓哉投手(東海大三高)まで遡る。その甲斐は一軍登板がなく、現役を引退した。戦力になったドラフト上位指名の高卒右腕は、投打で活躍した嘉勢 敏弘投手(北陽高→1994年1位)が最後となっている。
しばらく出ていなかったドラフト上位指名の高卒右腕である山下は、今シーズン一軍デビューを果たし、結果を残すことができるだろうか。最速158キロを誇る山下の投球に注目が集まる。
(記事=勝田 聡)