目次

[1]心身ともにまだまだ発展途上の大器
[2]「ヒップファースト・ジャブ・ストレート」で142キロ到達


 高校通算71発を誇る花巻東(岩手)・佐々木 麟太郎内野手や、大阪桐蔭のセンバツ優勝の立役者となった前田 悠伍投手、「広陵(広島)のボンズ」こと真鍋 慧内野手など、逸材が目白押しと評判の高校2年生世代。早くも黄金世代の到来が囁かれるが、その中で現時点で世代最速を記録するのが、藤蔭(大分)の松石 信八投手だ。

 173センチ、65キロと体は決して大きくないが、1年夏の選手権大分大会で146キロを計測すると、秋季大会ではダイハツ九州スタジアムで152キロを計測。入学から右肩上がりの成長を続け、23年ドラフト候補へ名乗りを上げた。

心身ともにまだまだ発展途上の大器


「コントロールと球速には少しは自信がありますが、まだ真っ直ぐも簡単に当てられてしまうんで。打たれない真っ直ぐというか、球の切れとか、伸びとかを意識しています」

 世代最速の称号を持つ速球派右腕も、グラウンドを離れればそこは普通の高校2年生。こちらの質問に、言葉を絞り出しながら苦笑いを浮かべて口を開く。5月の連休前には、部で禁止されている眉毛の手入れを行ったことで竹下大雅監督に大目玉を食らい、心身ともにまだまだドラフト候補には及ばないというのがチーム指導者の総意だ。

 だが1年秋に150キロを超える球を投げた身体能力に加え、器用に外野守備をこなすさまや高い打撃センスは誰もが認めるところで、竹下監督もその将来性には大きな期待を寄せる。

「野球センスはやはり良いものを持っています。1年生の時は経験もなかったので、思い切り投げる『1年生らしさ』だけでやっていましたが、一冬越えて制球力もついてきました。まだまだ精神的な甘えもありますが、春季大会も状態は良かったので、夏に向けて考えさせる時間も作りながら鍛えています」

 佐賀県出身の松石は、小学校2年生から少年野球チームで野球を始め、城南中時代は硬式野球チームの佐賀フィールドナインに所属。ここから本格的に投手としての練習に取り組み始めた。

 入団当初から決して目立つほうではなく、中学1年時の球速は110キロにも満たない程。中学2年生になっても試合でなかなか結果を残せなかったというが、中学3年生になる直前に大きな転機が訪れた。

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