目次

[1]高校入学後は正反対の指導理論に困惑
[2]主将就任で気持ちの持ち方に変化


 センバツ出場の市立和歌山や、名門の智辯和歌山に注目が集まる和歌山県の高校野球だが、高野山にもプロ注目の打者がいる。その名は渡邉 大和(3年)。高校通算19本塁打の強打者で、昨夏の独自大会では紀三井寺野球場の左翼席に特大の本塁打を放った。秋季大会には複数球団のNPBスカウトが視察に訪れており、自身も卒業後のプロ入りを視野に入れている。

高校入学後は正反対の指導理論に困惑


 和歌山県橋本市出身の渡邉は友人に誘われたことがきっかけで、小学4年生から野球を始めた。今でこそ177㎝、93㎏の立派な体格をしているが、小学生の時は周囲よりも小柄だったという。

 体が大きくなったのは中学時代で、ヤングリーグの和歌山ホークスに入ってから。食事に対する意識が高まったことで、体つきが大きく変わり、打球が飛ぶようになった。また、和歌山ホークスの指導者によるアドバイスも効果的だったと話す。

 「押し込みというか、ボールに当たる時にバットに乗せることを教えてもらって、ホームランの確率が上がったと思います」

 打撃の才能が開花したことで、中学時代は通算で10本前後の本塁打を放ち、複数の強豪校から誘われるようになったが、「和歌山から甲子園に行きたかった」と高野山への進学を決意。野球部は全寮制のため、親元を離れて過ごすことになった。

 「最初は不安もありながら来たんですけど、周りにチームメイトがいたので、全然心細くなくて、ノビノビとできました」と初めての寮生活にも順応し、1年秋からは三塁手のレギュラーも掴む。さらに飛躍しようというタイミングで出会ったのが、昨年4月に就任した伊藤 周作監督だった。

 伊藤監督は大学野球で実績を残した70歳のベテラン指導者で、中央大で監督をしていた時には阿部 慎之助(現巨人二軍監督)を指導した経験もある。そんな伊藤監督と渡邉の打撃理論は正反対で最初は不安に感じていたという。