目次

[1]ヤクルト時代の大一番
[2]目指すはNPB復帰

 野球をプレーするうえではもちろん、生きていくうえでもメンタルの保ち方は大きな要素となる。ここぞの大一番や苦しい時、プロ野球選手たちは、どのようなことを意識してきたのだろうか。

 仙台育英高校からヤクルトへと入団し、2018年オフに楽天へと移籍。2021年シーズンからルートインBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズでプレーする由規に話を聞いた。今回はインタビュー後編をお届けする。

前編はこちらから!
剛腕・佐藤由規が振り返る同僚との対戦と甲子園への想い【前編】

ヤクルト時代の大一番


 由規にとっての大一番はヤクルト時代の2016年にもあった。6月22日の巨人戦(二軍)である。

 当時、故障の影響で育成契約だった由規は支配下登録へ向け、イースタン・リーグで調整を続けていた。そんな中、真中 満監督(当時)や小川 淳司SD(当時)が、支配下復帰できるかどうかの最終チェックに来た試合である。

 当時の心境を尋ねるとすぐに口を開いた。
 「あの日、まだ覚えてますけど、相当緊張してたんですよね」

 高校時代から幾多の修羅場をくぐってきたであろう由規も緊張を隠せなかったようだ。
 「テストじゃないけど、前日とかちょっと前に視察が来るみたいな報道が出て。そこで良い投球を見せれば支配下になるって報道を見て、力が入ってしまった部分はありましたね。結果的に抑えることができたのでよかったけど。かなり気持ちが入ってましたね」

 結果は5回2失点(自責0)、8奪三振と文句なし。球速も151キロを計測した。この投球に首脳陣らはOKを出し、支配下に返り咲いた。

 人生を左右する可能性もある大一番に「相当、緊張した」状態で臨んだにも関わらず、しっかりと結果を残すことができたのはなぜだろうか。

 「緊張する状態を消すのは無理なので、無理に緊張を抑えようとせず、”緊張すればするほどうまくいく”とかそういった考えを持つのがいいかもしれません。自分の力以上のことはなかなか出せないんです。ぼくはピッチャーなので、バッターを抑えることに集中するしかない」

 緊張を無理に抑えようとせず、前向きに捉え、そして打者との勝負に集中することが秘訣と言えそうだ。