目次

[1]高校時代は歯がゆいことが多かった
[2]創価大の教えが現在の自分を支えている

創価大の教えが現在の自分を支えている



石川柊太(都立総合工科出身)

 石川がここで投手として学んだことは多い。石川の才能に惚れた佐藤コーチの技術的な指導で、ストレートは140キロ後半に達し、さらに切れ味鋭い変化球を投げられるまでの本格派右腕へ成長。1学年上には現在、東京ヤクルトで活躍すると小川 泰弘成章出身)が大エースとして君臨。投手としてのマインド、取り組む姿勢を小川から学び、佐藤コーチからではマウンドでの心構えなど、現在の礎をこの創価大で作った。

 また、現在の石川の何事にも動じないマインドも創価大で学んだ。

「もちろん投手として大きく成長させていただきましたが、一番大きかったのは人間的なものですね。創価大では『隣の奴に負けたくない』といった対抗意識。一番いらない感情を捨てられたのは大きかったと思います。応援してくれる方々のために頑張る。自分との戦いに勝つ。そういうことに気づけた4年間でした」

 創価大の教えが石川の心に強く刺さったのは高校時代の石川が他人と比較してしまう性格だったからだ。

「どちらかというと当時の自分は、隣のやつに負けたくない、こいつに負けたくない。それが先にいっていて、一つのことから一喜一憂してしまう選手だったんです。もちろん、与えられたメニューはしっかりとこなしていましたし、投手としてうまくなるためにずっと考えていました。何か良くないとネガディブな気分になってしまう。外野にいけといわれた時にかなり落ち込んでいたんです」

その弱かった自分を乗り越え、創価大で学んだ4年間は競争社会のプロ野球でも大きく生きた。一軍、二軍との昇格の間際でも相手と比較するのではなく、自分のパフォーマンスをどう発揮できるかに集中できたのだ。

 また、もちろん互いを高め合うライバルがいることは成長のきっかけになるし、それをきっかけに成長したと語ってくれた選手は数多くいる。ただ、なんでもかんでも自分と他人を比較して目的を見失うのは違う。石川は、だからこそ自分との戦いにこだわるべきと主張する。

「ライバルが必要だという持論を持った方を否定するつもりはありません。

僕の考えとして、ライバルに勝つことだけを考えてしまうと、ライバルを抜いてしまった場合に、次はどうすればいいか分からない。ライバルがいないと頑張れないと自分がいるわけじゃないですか。 ライバルにいなくなった時にライバルを探すのはおかしい話で、その時点で目標がぶれている。ライバルがいないと頑張れない自分は弱くないですか?

 

自分との戦いに勝つために、試合でやることを練習でやる。自分に勝てなければ、相手と戦うことができないので、自分と戦い、そして応援してくれる方々のためにプレーすることを決めました」

 創価大の学びをしっかりとプロの世界で生かしていく様子を理路整然と語る姿を見ると、石川のプロでの活躍は必然だったのだろう。

 そして3月26日、開幕投手を任されることとなった石川は、さらに成長できるチャンスだととらえている。

「開幕投手は、一番目の投手と比べても、ほかの先発投手と比べてもシビアな戦いになると思います。正直いえば、不安7、ワクワク3という心境です。これも上を目指すうえには通過点なのかなと思っていますし、いつもとは変わらない自分で、また気負ったとしても、それを良い方向に変えていけるようにしていきたいと思います」

 昨年は最多勝と最多勝率を獲得したが、「昨年は特別なシーズンで、良い意味でリセットして臨みたい」と語った石川。

 泰然自若の心境で、超一流投手の階段へ駆け上る。

(記事=河嶋 宗一