秋季九州大会で準優勝の成績を残し、4年ぶりに選抜甲子園出場を掴んだ福岡大大濠。エースの毛利 海大を中心に堅実な野球で決勝まで勝ち上がったが、決勝進出の立役者となったのが背番号11の1年生右腕・馬場 拓海(新2年生)だった。

 182センチ・83キロ、サイド気味のトルネード投法から繰り出す130キロ中盤の直球に、スライダーのコンビネーションが持ち味の馬場。九州大会準決勝の宮崎商戦で先発すると、何と馬場は8回一死まで無安打の快投を見せる。無安打無得点試合はならなかったが、完封勝利を挙げて「右のエース」に名乗りを上げた。

持ち味は物怖じせずに腕を振れるところ


 「怖いものなしで思い切り投げることができるので、1年生だからできた投球だったと思います。細かい投球術はこれからですが、思い切り腕を振って打たれて元々ぐらいの気持ちで投げたことが、良い結果に繋がったのではないでしょうか」

 そう語るのは、福岡大大濠の八木啓伸監督だ。

 直球の最速は130キロ中盤で、変化球もまだまだ精度が高いわけでは無い。それでも物怖じせずに腕を振れる点が評価され、秋季福岡大会でベンチ入りを果たすと初先発となった決勝の九州国際大付戦では4対3と競り勝ち完投勝利。チームが勝ち上がっていく中で自信をつけていき、九州大会での快投に繋げた。

 口数は決して多くなく淡々と投げるタイプだが、それでも九州大会で得た自信は伝わってくる。「コースや高さがしっかり決まり抑えることができました。甲子園でも、ある程度は抑えることはできだろうと自信を持てるようになりました」

 秋季福岡県大会からベンチ入りを果たした馬場。実は大会の序盤は状態が良くなかった。ボールに勢いは無く、時折直球がスライダー回転することも。その中で浮上のきっかけを与えたのは、八木監督の一言だった。

 「八木先生にシュートを投げるイメージで投げてみろと言われ、徐々にボールが良くなっていきました。九州国際大付戦では、納得のできるボールがいくようになりました」