目次

[1]投打で牽引するも悔しい敗戦が続く
[2]ライバルたちの刺激を受けて世代屈指の選手へ

ライバルたちの刺激を受けて世代屈指の選手へ



田村俊介

 新チームになると、田村は主将に就任。投打としてだけではなく、主将としてもチームを牽引する立場となった。最後の1年間、重責を背負った田村の中で、課題は明確だった。
 「ピッチングでは球速が気になっていたので、そこを伸ばすこと。打者としては長打力を伸ばしてホームランを打てるようにすることを課題にしました」

 すると新チームから田村はホームランを量産するようになるが、その大きな要因はテイクバックにあった。
 「バットを走らせるためにも大きく取るようになりました。ただ、背中に入れてしまうとインコースが打てませんので、真後ろに引く感じにしました」

 インコースが詰まるリスクがあったが、「ティーバッティングで克服しました」と新フォームをたしかに身につけていく田村。ただ変わらないこともある。ボールをいかに線で捉えるかということだ。

 「僕の中では伸びる打球が理想なので、ボールをいかにバットに乗せてあげられるか。それをイメージしてスイングしています。だからバットをボールの軌道に入れる必要があるので、線で捉えることをイメージしてあげることで、ボールとバットの設置時間を長くしようとしています」

 他にもインサイドアウトで広角に打ち返すなどもポイントとしているそうだが、野球を始めた時から線で捉えることを意識してきた田村。そのイメージが高校通算25本塁打の技術を支え続けている。

 迎えた秋季大会は、県大会まで進んだものの2回戦で敗退。「チームのミスをカバーできずに終わってしまいました」と一言。短い言葉にも悔しさを感じさせた。

 これで甲子園への道は夏の大会のみとなった。全国の舞台に行くため、田村が乗り越えるべき課題は明確なっている。
 「ピッチングでは150キロ、バッティングでは全体としてレベルアップしないといけないと思います」

 そして最後に、盟友である関戸 康介やライバル・森木 大智について聞くと、こんな答えが出てきた。
 「中学の時は自分よりも凄い選手だと思っていたので、少しでも追いつければと思っていました。ただ今は投手としてタイプが違うと思うのであまり意識はしていませんが、ネットで記事を見るたびに『もっと頑張らないといけない』と刺激はもらっています」

 指導する倉野監督は「今までプロに行った選手たちと同じで、あまり言うことはないです」と田村を評価。名将が歴代のOBと比較しても遜色ないレベルであっても、甲子園には届いていない。ラストイヤーで全国の舞台に行けば、田村 俊介の名は一気に広がる。

 どんな活躍を最後にするのか。田村 俊介の今後に注目したい。

(記事=編集部)