目次

[1]規格外の打撃を支えるフィジカル さらに守備、走塁もレベルアップし、評価急上昇
[2]この1年の課題は確率を高めること

この1年の課題は確率を高めること



ティーバッティング中の佐藤輝明(近畿大)

 そんな佐藤のストロングポイントである「打撃」。大学3年春は打率.333、2本塁打、12打点と結果を残したものの、3年秋は打率.188、2本塁打、9打点に終わった。佐藤はこの1年のテーマとして確率を高めることにこだわった。

 自身の打撃フォーム、あるいはプロ野球選手の動画を見ながら、確実性を高めるにはどんな打撃フォームがいいのか、微調整を繰り返していった。田中監督はこの探究心の高さこそが佐藤の長所と語る。
 「今、情報が氾濫しているので、youtubeなどを見て、打撃、そしてトレーニングをストイックにやっていると思います」

 練習ではコンタクト力を高めるために置きティーを欠かさず行い、ティー打撃でもミートポイントを確認し、日々のフリー打撃ではテーマを持ちながら、強烈な打球を飛ばしていく。
  久々のリーグ戦では本塁打を放ち、らしい打撃を見せている。ドラフトも近づいてきているが、佐藤は「あくまでリーグ戦に集中しています」と連日、注目度が高まる中でもチームの優勝のために日々、集中して行っている。

 「リーグ戦で勝つことにこだわれば、自身の結果もついていくると思っています」

 ただ、プロ志望を出した佐藤。打者の研究をするためにプロ野球の動画をよく見る佐藤は映像からでもプロの投手のレベルの違いを痛感してきた。自身の結果だけではなく、先を見据えて、この1年の課題として「確率」を高めることに決めてきた。



佐藤輝明(近畿大)

 現在、6試合に出場して、打率.286、1本塁打、5打点と本人からすれば、満足いくパフォーマンスではない。10日、11日は強豪・立命館大。そして17日、18日は関西大と対戦する。この2大学は、関西学生野球連盟の中でもトップレベルの投手力を誇るだけに佐藤の真価が問われる試合となる。

 

 佐藤のことを過去の教え子の中でも打撃面ではトップクラス。そして身体能力の高さも加えて、これまでいないタイプと評する田中監督だが、さらに付け加えて人間性について話してくれた。
  「取材をしてみていただけたら分かると思うんですけど、これまでプロにいった選手のようなガツガツさがあるタイプでもない選手ですね。今までは絶対にプロのスカウトにアピールしてやるぞ!という泥臭いものを持った選手が多かったのですが、彼はたとえプロのスカウトがきたとしても、いつでもマイペースに練習に取り組みます。珍しい選手ですね」

 一見、話を聞くと物足りなさを感じるかもしれない。ただ上達のために常日頃、研究とテーマ性を持って練習をしている選手であり、いい意味でマイペースさを持った選手なのだろう。

 それは多大な注目をされ、結果が求められるプロの世界で、佐藤の性格はプラスとして働くか。

 もしそれが実現した時、今のようにスカウト、一部マスコミだけではなく、日本中のファンが熱狂するようなスラッガーになる。そんな素質を持った逸材であることは間違いない。

(取材=河嶋 宗一



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