目次

[1]磨いた制球力と手にした新たな武器
[2]楽しんで終われるような夏を

 昨夏、春夏通じて初の甲子園となった飯山。初戦の仙台育英には敗れたものの、聖地で存在感を示したのが常田 唯斗だ。

 最速146キロを計測するストレートの威力で、同世代でもトップに入る実力を持っている。甲子園は中止となり独自大会のみとなったが、常田は甲子園からの1年間をどのように過ごしたのか。

磨いた制球力と手にした新たな武器


 昨夏の甲子園でマウンドを経験した常田は、改めて甲子園での投球を振り返るとこのように語った。 「甘いボールは全国クラスになると打たれてしまいます。しかし、インコースなど厳しいコースに投げ込めれば抑えられることがわかりました。ですので、その辺りのコントロールが必要だとは感じました」

 強力打線・仙台育英を前に投げたことを思い出し、より高い制球力を求め始めた常田。その一方で、新たな武器の必要性も同時に感じ取っていた。「インコースを攻め切ることも大事ですが、そこでストレートだけではなく内側に食い込むツーシーム。さらにはカットボールなど少ない球数で打者を抑えるために少し動くボールを練習し始めました」

 体力を温存するという狙いも持ちながら、新チームから常田は球種を増やすために練習を重ねた。どちらもストレートと同じ握りから、カットボールはスライダーを投げるイメージでボールを切り、ツーシームは逆にシュートのように捻る。捻る分、抜けやすくツーシームの習得には時間をかけながら、球種を増やそうと試行錯誤を続けた。

 それと同時にインコースへの制球力を高めるべく、ブルペンではインコースのギリギリにキャッチャーを座らせてひたすらコントロールを磨き上げた。

 また常田の一番の魅力である角度のあるストレート。投球フォームで参考にしている投手などはいないとのことだが、新チームスタート時から伸びるボールを投げられるようにすべく、スピン量を増やそうと心がけてきた。

 「低めに投げたときにボールが伸びてストライクが取れるように、リリースを今までよりも打者の近くで離せるようにイメージをしっかり持って取り組みました」

 投球フォームを大きく変えることはなく、前でリリースするイメージだけをもって常田は調整を進めた。そしてエースとして迎えた秋の大会は北信予選会の決勝戦で長野日大に0対1で敗戦するも県大会出場。「最後に甘いボールを打たれてしまいましたが、そこまでの投球は納得できる内容でした」と常田本人もコントロールミスを課題に挙げつつ、手ごたえをつかみながら県大会へ進んでいた。