第1192回 超前向きな世代屈指の遊撃手・土田龍空(近江)。名将も評価するメンタルの強さを武器に躍動を【後編】2020年07月02日

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【目次】
[1]打撃面でも木製バットで練習。練習試合で本塁打を打つなど仕上がりは順調
[2]指揮官も驚かせた土田の切り替えの早さ

指揮官も驚かせた土田の切り替えの早さ



土田龍空(近江)

 最後の夏があると信じていたが、5月20日に夏の甲子園中止が発表された。

 「去年は3年生に迷惑をかけてしまったので、今年の夏は絶対に結果を出して、恩返しをしようと思っていた」と意気込んでいただけに決まった当初は落ち込んだという。だが、「すぐ切り替えて、自分の目標に向かって一生懸命やるだけだと思いました」という想いを込め、その日の夜にTwitterで以下の内容で投稿した。

 「最後の夏中止になりました。
 とても悔しいです。
 でも落ち込んでる暇なんてありません。
 さあ今です。皆んなで元気出して立ち上がりましょう!!」

 多賀監督はそんな土田の気持ちの切り替えの早さに感心していた。

 「こんなことで落ち込んでいられないと、パッと切り替えられる早さは驚きましたね。それも彼の良さです。入ってきた時からプロ志望で、高校3年の秋にドラフト指名される選手になるために精進してやっていくんだという決意で臨んできました。こういうことになりましたけど、あれをきっかけに野球への想いが強くなったと思えるようにしてほしいなと思います」

 甲子園がなくなった悔しさはありつつも、プロ入りという次の目標に向かって練習を続けている。取材前日の8日には滋賀県での代替大会開催が決まった。近江は土田が試合に出るようになった一昨年の夏から県内で公式戦無敗を続けている。もちろん、最後も優勝して終わるつもりだ。

 「開催は率直に嬉しいです。今は全員で3連覇という目標を達成するために練習を頑張っています。近江一強でこれからもずっと行ってほしいですし、自分たちの代で連勝記録を途切れさせるわけにはいかないので、この滋賀大会も全力で戦い抜きたいと思います」

 今年は有望な新入生が多数入ったこともあり、多賀監督は今年の夏で優勝できれば、再来年までの5連覇も狙えると自信を見せている。甲子園を懸けた戦いではなくとも、近江としてのプライドを背負って最後の夏を戦うつもりだ。

 そして、その後は秋のドラフト指名を待つ。
 「プロに行ける自信は正直、あります。小さい頃から自分に自信を持ってきたので、今でも行けると信じてやっていますね」とプロ入りには絶対的な自信を持っている。アピールする機会は限られてしまったが、最後の夏に少しでも評価を上げたいところだ。

 「今まで支えてきてくれた人に恩返しをして、子供から憧れられるような選手になりたいと思います」と将来の目標を語った土田。プロでも遊撃手としてチームを代表するような選手になれる可能性は十分にある。多くの高校野球ファンを魅了してきたファンタジスタは球界のスターになることができるだろうか。今後の活躍に期待したい。

(記事=馬場 遼)


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