目次

[1]故障続きだった小、中学校の経験を乗り越えて大エースの土台を築いた体作り
[2]智辯学園戦の経験が投球スタイルを変えた

智辯学園戦の経験が投球スタイルを変えた



沖政宗(磐城)

 2年秋には公式戦9試合登板し、5完投。計画的な体作りが実り、名門校のエースとして立派に成長していた。

 公式戦で活躍できたのは、もう1つの理由がある。肉体的な強化だけではなく、投球の意識改革もあった。きっかけとなったのは2年春の関西遠征のことである。磐城高校は甲子園見学も兼ねて関西の強豪校と練習試合を行っていた。

 昨夏の甲子園出場を果たした智辯学園と対戦。この試合に登板した沖は、自慢の速球と横のスライダーを自信を持って投げ込んだが、滅多打ちにあった。「自分の投球スタイルを改めて見直さないといけない」と感じるぐらいショックを受けた。だが、今後、自分が生きるべき投球スタイルも見えた試合だった。
 「めった打ちの後、球速を落として低めを徹底的に投げたんです。そうしたら打ち取ることができるようになって、改めて自分はコントロール重視ではないと高いレベルで勝負できないんだなと痛感しました」

 投手にとってコントロールが重要なのは誰も理解しているが、きっかけがなければ、それに向けて動き出すことができない。沖の場合、智辯学園戦でめった打ちされた経験がコントロールの重要性を学び直すことができた。

 そのために投球の引き出しを増やすべく、変化球の球種を増やした。

 現在は縦横のスライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリット、シュートと6球種の変化球を投げる。
 「自分は色々試すのが好きなので、その中で良いと思ったものを取り入れて取捨選択をして、変化球を磨いてきました」と語るが、これほどの球種を操って、投球を構成できる器用さが沖の強みだといえるだろう。

 センバツに導くほどの快投を魅せた2年秋の大会に入るまで沖は悔しい経験や、怪我を乗り越えていた。

 では秋季大会でどんな胸中で戦っていたのか。その投球に対する考えを聞くと、意識の高さが伝わってきた。それについて後編のインタビューで紹介をしていきたい。

(記事=河嶋 宗一


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