目次

[1]神宮大会後も慢心せずにレベルアップ
[2]なぜ圧倒的なピッチングを求めるのか?



 

 今世代を代表する剛腕・高橋 宏斗中京大中京)。最速148キロを誇る速球と鋭いカットボールを武器に、昨秋の公式戦12試合に先発し、8完投、6完封。防御率1.68と圧巻の成績を残した。センバツ注目右腕として取り上げられていたが、残念ながら中止が決まった。

 高橋はこのセンバツまでどんな思いで臨んでいたのか。

神宮大会後も慢心せずにレベルアップ


 暖冬とはいえ、まだ気温が低い1月下旬。しかし高橋の投球はそれも忘れさせるようなピッチングだった。キャッチボールから147キロ左腕・松島 元希相手に速球を投げ込み。そしてブルペンに入ると、剛速球とキレのある変化球を次々と投げ込む。

 まさに本人がテーマにしている「圧倒的な投球」が垣間見える投球だった。その投球は高橋の高い自己分析、そして行動に移せる姿勢にある。

 2019年秋、明治神宮大会優勝。巧打者揃いの明徳義塾打線を完封するなど、自信を深めるものとなったが、打たれる場面もあり、もう一度、自分のピッチングを見つめ直した。

「神宮大会が終わってから一から見直すところがありましたので、神宮大会を見つけた課題を1つ1つクリアしている状況です。投げ終わりのバランスを修正していますが、投球の幅を広げたいと思っていて、ストレートの質を高めたいと思っています」

 さらに年末では台湾遠征を経験。日本ではなかなかいない振りの強い打者と対戦をしながら、ピッチングを確かめてきた。日本に帰っても精力的にトレーニングを続け、1月から気温が高い日はブルペンに入り、最速150キロを計測。オフともいえる1月の段階で、これほどのボールは投げることができるのは、普段のキャッチボールの意識の高さにある。18.44メートルをベースに、投球練習と同じようにストレートを投げ込む。
「投手によっては変化球を投げる投手もいますが、僕の場合、キャッチボールではストレートの回転を確かめるために投げています」

 自信が投げ込むストレートについて、感触の良さを感じながらも、
「まだ回転数は2100なので、さらに高めていきたいです」

 プロの一軍投手の回転数は2200~2300。そのレベルを持っていきたいと考えている。またピッチング練習を見るとキレのある変化球を次々とコントロールしている。高橋は、「カットボールについては、神宮大会よりも二段階ぐらい上がっています」と自信をのぞかせる。