目次

[1]変化球の投げ込みを一部制止されて直球の威力が向上
[2]更なるスケールアップと投球にも幅を

 秋季兵庫県大会で優勝を飾った報徳学園。決勝では、2季連続で甲子園ベスト4入りを果たした明石商を5対1と力で押さえ込み、6年ぶり13度目の栄冠を手にした。

 優勝の原動力となったのは、間違いなくエースの坂口 翔颯だ。最速142キロの直球だけで無く、スライダーやフォーク、カーブなど多彩な変化球を器用に投げ分け、コマンド能力も非常に高い。強豪がひしめく今年の近畿地区の中でも、指折りの好投手だ。

 今回はそんな坂口に、これまでの歩みや秋季大会での成長、そして夏に向けた取り組みを伺った。近畿地区を代表する、好投手に迫っていく。

変化球の投げ込みを一部制止されて直球の威力が向上


 阪神ボーイズ時代から、好投手として名が知れ渡っていた坂口。
 中学3年の夏にはボーイズリーグの夏の全国大会でベスト16に進出し、球速も136キロを記録。変化球や制球力の良さにも定評があり、中学生としては非常に総合力の高い投手だった。

 だが、坂口は当時のスタイルを「変化球投手」だった振り返る。速いストレートがありながらも、自らを「変化球投手」と呼ぶのは、ストレート以上にスライダーに自信を持っていたからだ。
 「当時は真っ直ぐも良かったんですけど、どちらかと言えば器用なピッチングをしてたと思います。コントロールにも、スライダーにも自信があったので、コースを突くようなピッチングでした」

 「非常に器用な投手」と大角健二監督も語るように、スライダー以外にもカーブやフォーク、ツーシームなど6種類を投げ分ける坂口。だが、器用が故にコントロールと変化球に頼りがちになる性格を見抜いた報徳学園首脳陣は、坂口が入学後すぐに3種類の変化球の投げ込みを一旦制止する。 より真っ直ぐの強いスケールの大きな投手目指して、まずは投球の基本であるストレートを磨くためだ。

 「1年生の時にお前はとにかく真っ直ぐを磨けと言われ、そこからピッチングが変わりました。
 試合でも真っ直ぐ中心の配球にして、1年間で5キロくらい球速は伸びましたと思います。真っ直ぐで推していけるピッチングが出来るようになりました」

 元々、大きな期待を背負って入学した坂口は、1年の夏から本格的に登板機会を掴んでいき、前チームでは2年生ながら投手陣の一角として活躍。球速は142キロまで達し、徐々に本格派としての道を歩み始めたのだ。