第1069回 柳田悠岐、糸井嘉男を凌ぐスケールを持つ、ホームランの求道者・佐藤輝明(仁川学院-近畿大)【前編】2019年10月23日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】

[1]お金を払ってでも見る価値がある打撃練習/プロを代表するスラッガーに引けをとらないド迫力ボディ
[2]プロへの思いは皆無だった中学時代/ホームランの魅力にとりつかれた高校時代

 大学球界を代表する飛ばし屋スラッガーとして名を馳せる近畿大・佐藤輝明(3年)。来秋のドラフト1位候補にも挙がる逸材を直撃すべく、近畿大野球部グラウンドが位置する奈良県生駒市を訪ねた。


お金を払ってでも見る価値がある打撃練習



インタビューに答える佐藤輝明

 「グラウンドのライト後方に民家があるんですよ。普通はそこまで届かないんですけど、佐藤が打つと民家まで届いてしまうんです」
 取材の窓口となり、グラウンドで出迎えてくれた近畿大野球部・湯佐凌大主務がそんな話をしてくれた。

 「高い防球ネットの設置を学校にお願いしたところ『今まで必要なかったのに本当に必要なの?』と言われ、業者が調査に来たのですが、打撃練習で佐藤が打った打球がいきなり民家の屋根の瓦を直撃してしまって。『これは必要だ!』となり、即、ネット設置の認可が下りました」

 関西大学球界を代表する飛ばし屋スラッガーであることを裏付けるかのようなエピソードをいきなり聞くことが出来、とてつもないワクワク感に襲われた。「正直、お金を払ってでも見る価値のある打撃練習だと思います」。

 実際、打撃練習で目の当たりにした打球のスピード、飛距離は圧巻だった。プロの世界でもここまで飛ばせる日本人打者はそうはいない。大学生の中に外国人スラッガーが一人紛れ込んだかのような錯覚に陥ってしまった。

 近畿大・田中秀昌監督は「大阪の南港中央公園野球場で関西大の山本隆弘(現・日本生命)から打ったホームランが忘れられない」と語った。「ライトの高い防球ネットを超えていったんです。あの球場のネットを超す打球なんて初めて見た。140メートルは軽く超えてたと思う。すごいホームランでした」

プロを代表するスラッガーに引けをとらないド迫力ボディ



バッティング練習をする佐藤輝明

 「佐藤です。今日はよろしくお願いします!」

 すべての練習メニューが終了した後に室内練習場でおこなわれたインタビュー。至近距離で見る佐藤の体躯はまるで重量級の格闘家のようだった。打球も規格外なら、ボディも規格外の迫力だ。

 「今の身長、体重ですか? 187センチ92キロです。体脂肪率は10パーセントくらいですね」

 ド迫力ボディを誇るスラッガーとして知られるソフトバンク・柳田悠岐選手、阪神・糸井嘉男選手の公称数値がそれぞれ188センチ92キロ、188センチ97キロだが、まったく引けをとっていない。

 ドラフト候補だった大学4年生時の柳田と糸井に取材をする機会があったが、当時の柳田は187センチ88キロ。投手だった糸井は186センチ80キロと現在と比べるとかなり線が細く、アマチュア時点のボディの迫力度合いは、現在、大学3年生の佐藤に軍配が上がる。

 「中学を卒業した時が175センチ65キロ。身長は高校に入って10センチ以上伸びました。高2の冬からウエイトトレーニングを始めたのをきっかけに筋肉量が増え、体重がどんどん増えていって。練習後にジムに週6くらいのペースで通っていたのですが、高3の夏の時点で85キロ。高校野球を引退してから大学入学までの数ヶ月でさらに95キロまで増え、高校3年間で30キロ増。元々飛距離は出る方でしたが、筋トレをするようになってからはものすごく飛ぶようになりました」

 現在の課題は「確率を上げること」と語った佐藤。

 「飛距離は出るんですけど、まだまだ確率が低い。打ち損じも多いし、ボール球に手を出して自分からカウントを悪くしてしまう打席も多い。とらえる確率をもっと上げたいし、シーズンで3割打ったくらいじゃ満足できない。最低でも1シーズンでホームラン3本、打率は3割5分以上はないと納得できないです。まだまだです。もっともっと打ちたいです」

 プロの熱視線が注がれる逸材スラッガーのあくなき貪欲さがインタビュー序盤からビンビン伝わってきた。

【次のページ】 プロへの思いは皆無だった中学時代/ホームランの魅力にとりつかれた高校時代

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する

プロフィール

××××
佐藤 輝明(さとう・てるあき)
  • 近畿大
  • ポジション:外野手
  • タイプ:右投左打
  • 身長体重:187センチ92キロ
  •  
【関連記事】
第1069回 次世代の大型スラッガー・佐藤輝明(仁川学院-近畿大)の急成長にあった「右わき」を締めない意識【後編】 【2019年インタビュー】
第1032回 152キロの剛腕サイド・村西良太を覚醒させた「昼寝」と「巨人・畠からの金言アドバイス」 【2019年インタビュー】
第1024回 エースになれなかった中・高時代 転機となったサイドスロー 近畿大の152キロ右腕・村西良太【前編】 【2019年インタビュー】
第24回 勝利と育成の両立を可能にした「状況に応じた野球」の追求 西京ビックスターズ(京都)【前編】【ネクスト球児~中学野球チーム訪問~】
第195回 ポスト山川、柳田はこの中に!2019年・大学野球の主役は彼らだ!【ドラフト特集コラム】
近畿大vs筑波大【2018年 第49回明治神宮野球大会 大学の部】
第226回 【秋季兵庫県大会】報徳学園、東洋大姫路、滝川第二など強豪ひしめくブロックも!他、注目校一挙紹介!【大会展望・総括コラム】
第257回 東北楽天ゴールデンイーグルス 藤田 一也選手「常識を疑いながら鉄壁の守備を築き上げた独自の守備論」 【2015年インタビュー】
第18回 ブルータグ株式会社 南 啓介さん 【2008年インタビュー】
近大泉州 【高校別データ】
近大附 【高校別データ】
仁川学院 【高校別データ】
インタビュートップに戻る サイトトップに戻る

インタビュー