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第729回 2018年の都立の星 吉岡桃汰(東大和南)「神宮球場のマウンドで投げたい!」【後編】2018年07月09日

【目次】
[1]大きな進化をもたらしたサンドボール
[2]快投を見せた春季大会を振り返る!
[3]夏では100球前後の完投が理想
この春、最速140キロのストレートと縦に鋭く落ちるスライダーを武器に、34.2回を投げて63奪三振と驚異的な奪三振ペースで、「ドクターK」を襲名した吉岡 桃汰投手。前編では中学時代の歩みや投手としての取り組みについて語っていただきましたが、後編では快投を見せた春季大会の投球を振り返っていただきます。
大きな進化をもたらしたサンドボール

吉岡桃汰(都立東大和南)
―― 2年夏はベンチ入りするも未登板。2年秋から背番号10として投げ始めます。
吉岡桃汰(以下、吉岡): この時はまだ乱調気味でした。
―― 秋の一次予選の日体大荏原戦では先発をされていますね。
吉岡: そうですね。確か6回、7回まで投げたと思います。初回に4失点をしてしまいましたが、逆にそこでスイッチが入って、その後は5回まで無失点に抑えることができました。自分の中でも、良いイメージで抑えることができたと思います。
そのあとチームは6回表に逆転をしてくれて、とてもありがったのですが、そこで勝てるかもと油断してしまったんです。変に力が入ってしまって、6回裏に逆転を許してしまいました。あの試合は実力不足というよりも、自滅して負けたと思います。
―― この敗戦を踏まえて、どのようなテーマを持って冬の練習に取り組みましたか?
吉岡: 大会が終わって、投手としての実力はまだまだだと実感しました。球速、変化球の質、体力、体づくりと、投手として必要なものをすべて高めていこうと心に決めました。
秋まではただ漠然と練習していました。体重を増やすことを目標にして82キロまで増量しましたが、今は77キロまで絞りました。
また1月に右手を骨折してしまったのですが、その時にサンドボールを使ったトレーニング導入したところ、球速や球質が一気に向上しました。
―― サンドボールを使ったことでどれくらい球速があがったのでしょうか。
吉岡: 2年の秋から130キロ後半は投げられたので、数キロ程度です。でも僕にとっては大きな変化でした。
サンドボールがあったから急激に上がったのではなく、体の使い方を理解し、さらにサンドボールを使ったことで良くなったという感じですね。
2年秋に、体の使い方とかが分かるようになってきました。体重移動の部分で、ヒップファーストや回転軸などが理解できて、それを実行することでフォームのバランスがとれるようになり、結果として球速が上がりました。
特に変わったのはリリースの感覚です。リリースする際、ボールを潰す感覚で投げる事で自分でも分かるぐらい球質が変わったと思います。
―― 「潰すように投げる」。そのリリースはずっと求めていたものでしたか?
吉岡: いや、その感覚はコントロールが悪くなるものだと思っていました。サンドボールによって握力が上がり、潰す感覚が分かってきて、自然とそのリリースが身についたと感じています。

- 吉岡 桃汰(よしおか・とうた)
- ポジション:投手
- 身長:180センチ73キロ
- タイプ:左投左打
- 都立東大和