人間力×高校野球

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

第9回 物事の本質を考える2009年12月27日

09'埼玉大会 浦和学院vs花咲徳栄より

 メジャーリーガーになった数人の日本人選手を想像してほしい。特に注目してほしいのが、岩村明憲、松井稼頭夫で、彼らが日本にいたころどのような身なりをしていて、海外に渡ってどのような身なりになったのか。

 茶髪・金髪・銀髪だった彼らは、日本時代が嘘だったかのように、黒い髪をしている。気持ちがおしゃれに向いたり、自分の格好を見てほしい、というものから、「俺のプレーを見てくれ、そこで評価してくれ」に代わるんだと思う。テレビ出演が多いオフシーズンはともかくとして、シーズンが始まると、髪の毛の色などに気持ちがいかなくなる。

高校球児も同じだと思う。

 通学で野球帽をかぶるのがステータスかもしれない。帽子の型崩れも気になるのかもしれない。しかし、気持ちがそこばかりに向いていては、野球学校には勝てない。常に野球に向き合うことを義務づけられている強豪私学はすべてが野球につながるような中で、生活している。やはり、日本人メジャーリーガーと一緒で、「それどころじゃない」。そこに気持ちで勝とうと思ったら、同じように野球に向き合ってないといけないのではないか。日常生活という大きな武器を味方につければ、これほど強いものはない。

 帽子に洗濯ばさみをつけて、型をつけながら通学していた野球部員をみたことがある。そのチームは、最後、強豪私学を追い詰めながら、打球がはねてサヨナラ負けを喫した。気持ちが他に向いている分、最後に勝利の女神はそっぽを向いたのだ。

 もちろん、これが立証された理論があるわけではない。制服に野球帽の高校が甲子園に出られないわけではない。だが、野球部としての気持ちはユニフォームを着た時に発揮されるものなのだ。日常を律しているチームこそ、本当の強さを持つことができると僕は思う。

このページのトップへ


この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第14回 「調子の波を作らないために」【人間力×高校野球】
第12回 全員野球【人間力×高校野球】
第11回 日常生活を力にするためにできること【人間力×高校野球】
第3回 文武両道とは【人間力×高校野球】
第1回 人間力とは【人間力×高校野球】
コメント (1)
高校球児がさわやかな訳がわかりました!!2011.10.07 こころ
中学校で部活動を指導しているものです。指導しているスポーツは、野球ではありませんが、部活動全般に通ずる内容でいつも興味深く読ませていただいています。
その競技の技術向上だけでなく、人としての礼儀・マナー・物の考え方などスポーツを通して学んでいけるように毎日の指導にあたっていますが、なかなか難しいものです。
「人間×高校野球」のコラムを毎日、1回分ずつをコピーして生徒に渡しています。真剣に読み、少しずつ心に響いているような感じがします。これからもよろしくお願いします。

コメントを投稿する


心で書く!氏原英明メールマガジン

プロフィール

氏原英明
氏原 英明
  • 生年月日:1977年
  • 出身地:ブラジルサンパウロで生まれる
  • ■ 高校時代から記者志望で、新聞記者になるのが将来の夢だった。
  • ■ アトランタ五輪後に、スポーツライターに方向転換。
  • ■ 大学を卒業後、地元新聞社に所属。
  • ■ その後スポーツ記者として、インターハイなど全国大会の取材も経験させてもらい、数々の署名記事を書く。
  • ■ 03年に退社。フリー活動を開始。

    『週刊ベースボール』、『ベースボールクリニック』(ベースボールマガジン社)、『アマチュア野球』(日刊スポーツ出版社)『ホームラン』(廣済堂出版)、『Number』(文藝春秋)、『Sportiva』(集英社)、『高校野球ドットコム』『ベースボールファン』などに寄稿。フリーライターとしての地位を固める。

  • 「人間力×高校野球」(2009/04~2011/01まで連載)
  • ■ 講演依頼
    講演・セミナー依頼受付中

コラム人間力×高校野球
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム