▲左から小柳君、亰田君、見目君、篠崎君

 この夏の東東京大会で、6試合のうち4試合で1点差ゲーム。うち3試合でサヨナラ勝ち、延長が2試合という勝ち上がりで、苦しみながらも初の甲子園出場をつかんだ成立学園

 赤羽にある学校から、グラウンドと寮がある東鷲宮まで約1時間をかけて通うという毎日の中で、掴んだ栄冠だった。初めての甲子園出場に、これまでずっと野球部を応援し続けてきた地元の人々や、成立学園卒業生など、この夏は熱く沸いたという。

 甲子園では、1時間16分の試合で東海大甲府に敗退したものの、選手たちは確実に新しい歴史を築いた。そんな成立学園の3年生4人に、熱く燃えたこの夏を振り返ってもらった。

目次

【目次】
[1] 甲子園初出場を決めたこの夏を振り返って
[2] 夢の舞台で感じたこと
[3] 後輩へのメッセージ
[4] 監督が語るこの夏の戦い

◎座談会メンバー
見目 雅哉:主将・セカンド
篠崎 悟:4番・ファースト
亰田 一世:センター
小柳 大樹:キャッチャー

甲子園初出場を決めたこの夏を振り返って

▲見目雅哉主将(成立学園)

――まずは、この夏の東東京大会を振り返ってみてください。 

篠崎 最初(3回戦の都立紅葉川戦)から苦しい戦いが多くて、いつ負けてもおかしくない状況だったと思います。それでも、このチームで最後まで戦うことが出来て、甲子園まで行けたので、誇りに思っています。本当によかったと思います。

――初戦を延長戦で何とか切り抜けて、次が関東一ということになったのだけれど、それは意識していた?

見目 抽選の時にも、記者の人から「一つ勝ったら関東一だけれど、どう?」というようなことを聞かれたんですけれども、「ただ、やるだけです」とだけ答えていました。ただ、やはり一つのヤマだと思っていましたし、意識はしていました。

――試合前の意識としてはどうだったのですか。

見目 チームの状況とか、力とかいろいろ考えたときには、普通にやったら負けると思っていましたが、それでも勝てたんで、それが、その後にも大きかったと思います。

亰田 決勝でも、9回に追いつかれて、それでもすぐに小柳が出て、見目が返すという、3年生の活躍で最後、勝てたのがよかったです。

小柳 9回の守りで、それまで1点で抑えていたし、2点リードでしたから、油断ということではないですけれども、抑えられるだろうとは思っていました。それが、2点取られてしまって、それでもまだ一死満塁だったので、キャッチャーとしてはどうしたらいいのかと思っていました。もうそうなったら、そこでどうこうするという問題ではなかったですね。

▲篠崎 悟(成立学園)

――2点リードして最後の守りについたときには、甲子園が頭にチラチラしたということはなかったですか。

篠崎 ありましたよ。ただ、すぐに先頭が出てしまったんですよ。

見目 詰まった打球が落ちたものでしたからね。

小柳 あれで、いやな感じがして、簡単には終われないなという気がしていました。

――結局追いつかれて、同点のままで何とかその裏の攻撃に入ることが出来たんだけれども、その時にベンチではどんなことを言っていたのですか。

小柳 延長にしないで、この回で、決めるぞということを監督さんからも言われていました。それで、決めてやろうと思いました。

見目 自分に回ってくるということは、あまり意識はしていなかったのですが、打順が来たので思い切っていきました。

――最後、サヨナラで決勝戦を勝ったときは、どんな思いが横切りましたか。

篠崎 自分たちが目標にしていた甲子園に行けることになったんですけれど、最初は実感がわかなかったですね。初戦を勝てるかどうかも分からないような自分たちが、甲子園へ行けるなんて、思ってもいませんでしたから、驚きの方が大きかったです。

見目 そうですね、やはりまだ実感はなかったですね。「あっ、勝ったんだ」とは思いましたけれど、これで甲子園だ、とは思わなかったですね。

亰田 何だか(大会が)まだ、これから続くんだろうな、という感じでした。

――決勝のホームを踏んだ小柳君はどうですか。

小柳 走っている時は、ホームへボールが帰ってくるのかということもわかりませんでしたし、どこへ飛んでいるのかもわからなかったです。夢中だったんですけれど、キャチャーにボールが返ってこなくて、そのまま滑り込めました。それで、その時に勝ったんだなという気がしていました。