僕らの熱い夏

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

第68回 【三年生座談会】成立学園高等学校(東東京)2012年10月01日



▲左から小柳君、亰田君、見目君、篠崎君

 この夏の東東京大会で、6試合のうち4試合で1点差ゲーム。うち3試合でサヨナラ勝ち、延長が2試合という勝ち上がりで、苦しみながらも初の甲子園出場をつかんだ成立学園

 赤羽にある学校から、グラウンドと寮がある東鷲宮まで約1時間をかけて通うという毎日の中で、掴んだ栄冠だった。初めての甲子園出場に、これまでずっと野球部を応援し続けてきた地元の人々や、成立学園卒業生など、この夏は熱く沸いたという。

 甲子園では、1時間16分の試合で東海大甲府に敗退したものの、選手たちは確実に新しい歴史を築いた。そんな成立学園の3年生4人に、熱く燃えたこの夏を振り返ってもらった。

【目次】
[1] 甲子園初出場を決めたこの夏を振り返って
[2] 夢の舞台で感じたこと
[3] 後輩へのメッセージ
[4] 監督が語るこの夏の戦い

◎座談会メンバー
見目 雅哉:主将・セカンド
篠崎 悟:4番・ファースト
亰田 一世:センター
小柳 大樹:キャッチャー

甲子園初出場を決めたこの夏を振り返って

▲見目雅哉主将(成立学園)

――まずは、この夏の東東京大会を振り返ってみてください。 

篠崎 最初(3回戦の都立紅葉川戦)から苦しい戦いが多くて、いつ負けてもおかしくない状況だったと思います。それでも、このチームで最後まで戦うことが出来て、甲子園まで行けたので、誇りに思っています。本当によかったと思います。

――初戦を延長戦で何とか切り抜けて、次が関東一ということになったのだけれど、それは意識していた?

見目 抽選の時にも、記者の人から「一つ勝ったら関東一だけれど、どう?」というようなことを聞かれたんですけれども、「ただ、やるだけです」とだけ答えていました。ただ、やはり一つのヤマだと思っていましたし、意識はしていました。

――試合前の意識としてはどうだったのですか。

見目 チームの状況とか、力とかいろいろ考えたときには、普通にやったら負けると思っていましたが、それでも勝てたんで、それが、その後にも大きかったと思います。

亰田 決勝でも、9回に追いつかれて、それでもすぐに小柳が出て、見目が返すという、3年生の活躍で最後、勝てたのがよかったです。

小柳 9回の守りで、それまで1点で抑えていたし、2点リードでしたから、油断ということではないですけれども、抑えられるだろうとは思っていました。それが、2点取られてしまって、それでもまだ一死満塁だったので、キャッチャーとしてはどうしたらいいのかと思っていました。もうそうなったら、そこでどうこうするという問題ではなかったですね。

▲篠崎 悟(成立学園)

――2点リードして最後の守りについたときには、甲子園が頭にチラチラしたということはなかったですか。

篠崎 ありましたよ。ただ、すぐに先頭が出てしまったんですよ。

見目 詰まった打球が落ちたものでしたからね。

小柳 あれで、いやな感じがして、簡単には終われないなという気がしていました。

――結局追いつかれて、同点のままで何とかその裏の攻撃に入ることが出来たんだけれども、その時にベンチではどんなことを言っていたのですか。

小柳 延長にしないで、この回で、決めるぞということを監督さんからも言われていました。それで、決めてやろうと思いました。

見目 自分に回ってくるということは、あまり意識はしていなかったのですが、打順が来たので思い切っていきました。

――最後、サヨナラで決勝戦を勝ったときは、どんな思いが横切りましたか。

篠崎 自分たちが目標にしていた甲子園に行けることになったんですけれど、最初は実感がわかなかったですね。初戦を勝てるかどうかも分からないような自分たちが、甲子園へ行けるなんて、思ってもいませんでしたから、驚きの方が大きかったです。

見目 そうですね、やはりまだ実感はなかったですね。「あっ、勝ったんだ」とは思いましたけれど、これで甲子園だ、とは思わなかったですね。

亰田 何だか(大会が)まだ、これから続くんだろうな、という感じでした。

――決勝のホームを踏んだ小柳君はどうですか。

小柳 走っている時は、ホームへボールが帰ってくるのかということもわかりませんでしたし、どこへ飛んでいるのかもわからなかったです。夢中だったんですけれど、キャチャーにボールが返ってこなくて、そのまま滑り込めました。それで、その時に勝ったんだなという気がしていました。

【次のページ】 夢の舞台で感じたこと

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
成立学園vs都立鷺宮【東京都 2019年秋の大会 東京都大会】
第970回 【秋季東京都本大会 展望】日大三、東海大菅生などが揃うブロックも!秋の都大会は超激戦が予想!【大会展望・総括コラム】
第966回 【秋季東京都大会一次予選展望】日大豊山と東海大高輪台が初戦で激突!第21ブロックAは激戦区に【大会展望・総括コラム】
都立雪谷vs成立学園【東京都 2019年夏の大会 第101回選手権東東京大会】
第935回 【東東京大会展望】二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか?東東京大会を徹底解剖!【大会展望・総括コラム】
都立篠崎vs成立学園【東京都 2019年春の大会 春季東京都高等学校野球大会】
世田谷学園vs成立学園【東京都 2018年秋の大会 東京都大会】
第761回 高校野球ドットコム編集部が選ぶ東京都の侍ジャパンU17代表候補【大会展望・総括コラム】
二松学舎大附vs成立学園【東京都 2018年夏の大会 第100回選手権東東京大会】
第705回 本命不在の参加校数最多の東東京を制するチームは!【大会展望・総括コラム】
第2回 第96回選手権東東京大会 ここまでの戦いを振り返る!! 【2014年選手権大会】
成立学園 【高校別データ】

プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
  • ■ 講演依頼はこちら
    講演・セミナー依頼受付中

ベースボールファン
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム