目次

[1]大阪桐蔭で輝いた藤原と根尾
[2]ヒット量産の小園に、満塁弾2本の山下も

第94回選抜大会のトーナメント表
浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
ベスト8以上の組み合わせ

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 第94回選抜高校野球大会が3月18日に開幕する。抽選も終わり多くの選手に注目が集まる中、この春から新たに2年生となる選手たちをクローズアップ。ここ10年のセンバツで印象的だった新2年生の活躍をプレイバックしてみる。


大阪桐蔭で輝いた藤原と根尾


 2016年の明治神宮大会は、履正社(大阪)と早稲田実業(東京)が決勝を戦い、履正社が11対6で制して初優勝した。早稲田実業清宮 幸太郎内野手(現日本ハム)の弾丸アーチで先制すれば、履正社安田 尚憲内野手(現ロッテ)の3ランなどで逆転する展開だった。なぜ、そんな思い出話をするかというと、昨年の明治神宮大会でも真鍋 慧内野手(広陵)、佐々木 麟太郎内野手(花巻東)、佐倉 侠史朗内野手(九州国際大付)のスラッガーBIG3が、同じ日にアーチをかけるという派手なそろい踏みを演じてくれたからだ。清宮と安田は当時2年生だったが、BIG3はその時点で1年生。スターになる資質十分、と言っていい。

 さて翌17年の第89回選抜高校野球大会。履正社はここでも決勝に進んだ。安田にはホームランがなかったかわりに、大阪桐蔭の新2年生が、先頭打者弾含む2本塁打して優勝に大きく貢献した。藤原 恭大外野手(現ロッテ)である。決勝での2本塁打というのは、史上初めての大仕事だ。実は安田と、1学年下の藤原には因縁があって、どちらも兄がPL学園野球部出身。2人ともPLへの進学を視野に入れながら、同校の休部で進路が分かれた。つまり世が世なら、PLでこの豪華コンビが実現していたのかもしれないのだ。

 ともあれ、大阪桐蔭に進んだ藤原は、「野球を始めてから、実際に会った選手に負けたことはない」という持ち前のスピードで、1年の夏から強豪の定位置を獲得。その年秋の公式戦では、打率.417と打ちまくった。そしてこの17年センバツが、甲子園デビュー。


「中学の大会でも試合したことがありますが、甲子園はあまり得意じゃなくて……」というように、この大会の通算打率は2割そこそこだったが、決勝では2本塁打という快挙だから、大舞台にめっぽう強いのである。履正社との決勝で、8対3とリードした9回裏にマウンドに立ち、ゼロに抑えて優勝投手となった根尾 昂内野手(現中日)によると、「(藤原は)宇部鴻城(山口)との1回戦、甲子園初打席の2球目に、一振りで左中間のフェンスまで行く二塁打。絶対打つというオーラが出ていて、あの大舞台での強さ、集中力は、盗めるものなら盗みたいです」ということになる。

 もっともその根尾にしても、藤原が「日本で一番騒がれていた中学生」と、入学直後から一目も二目も置く存在だった。なにしろ、飛騨高山ボーイズ時代から146キロのストレートを投げるかと思えば、アルペンスキーでは国際大会に出場した経験があり、小学生時代には陸上100メートルで全国2位と、身体能力のカタマリなのだ。まさにスーパー中学生。しかも両親は医師で自身も頭脳明晰、趣味は読書で、ほとんどの選手が眠っている移動中のバスでも、なにかしら本を読んでいるという。大阪桐蔭・西谷 浩一監督は言う。

「入学してきたときから強さを感じていました。芯が強くて、ぶれない。練習でも授業でも生活でも、高い目標を念頭に置いて取り組む選手です」

 大阪桐蔭では、1年夏からベンチ入りすると、大阪大会で代打ホームランデビュー。その年秋には、打率は.250ながら2本塁打を記録し、投げても2試合7回3分の2を無失点だった。甲子園デビューとなる宇部鴻城戦でも、藤原同様1打席目にタイムリーを放ち、秀岳館(熊本)との準決勝以外の4試合でヒットを記録。投げても、決勝の9回など2試合3回を無失点だ(ちなみに根尾は、連覇する18年センバツで、史上初めて2年連続優勝投手となっている)。

 さらにほれぼれするのが野手としての身のこなしで、遊撃手で逆をつかれたときの切り返しなどはまるでバネ仕掛けのよう。本人によると、

「スキーでは一見、足腰でバランスを取っているように見えますけど、上半身なんです。野球でも、全身を連動させるには、上半身のバランスや柔軟な動きがすごく大切だと思います」ということになる。