第166回 2度の奇跡を起こした城北(東京)の原動力『楽しむ野球』に注目!2021年01月13日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]秋の公式戦4試合で得点41、失点36/アメリカで学んだ楽しむ野球が奇跡を起こす
[2]練習は部員の自主性を重視

 夏の独自大会も秋季都大会も上位に進出したわけではない。けれども強く印象に残っているチームがいくつかある。

 中でも、夏と秋に奇跡を起こした城北を、一押しチームとして紹介したい。

秋の公式戦4試合で得点41、失点36



都立小山台を破った城北

 夏の独自大会で番狂わせであったのは、東東京大会の2回戦で城北が、2年連続準優勝の都立小山台を破った一戦だった。

 この大会は、試合ごとにベンチ入りメンバーの入れ替えが可能だった。2回戦の先発は、この試合から登録された2年生の島田 開斗だった。島田はスローボールを巧みに使い試合を作り、3年生のエース・中村 陽紀につなぎ、2対1で逃げ切った。

 3回戦は、巨人にドラフト5位で指名された二松学舎大附秋広 優人に3安打に抑えられたが、強い印象を残した。

 夏はロースコアのゲームを守り切ったが、秋は、全く違う野球で驚かせた。

 秋季都大会の1回戦は、前年の夏の西東京大会優勝校の國學院久我山だった。雨中の試合は、7回表に國學院久我山が8点を入れ、16対4の12点差。コールド負けは目前だった。しかし國學院久我山はエースに代わり、控え投手をマウンドに送る。そこから城北の猛攻が始まり、7回裏に10点、8回裏に4点を入れ、18対17と奇跡の大逆転勝ちを成し遂げた。

 城北は1次予選の都立足立西戦でも3回裏に8点を入れられたが、4回表に8点を入れて逆転勝ちしている。秋は公式戦4試合で得点41、失点36という大荒れの試合をしている。

アメリカで学んだ楽しむ野球が奇跡を起こす

 たとえリードされても、めげずに逆転できるのはなぜか。門多元監督は、早大学院の出身だ。早稲田実業斎藤 佑樹(日本ハム)とは同世代になる。大学は早稲田大学の国際教養学部に進んだ。在学中にアメリカに留学し、当地の大学でコーチ研修をする機会を得た。そこで楽しんでやる野球に接する。「それを持ち帰り、指導者になった時に、そういう環境を作ってあげたい」と心に決める。

 早稲田大学は大学院まで進み、卒業後は多摩大聖ヶ丘などの勤務を経て、2年前から城北の監督に就任している。

 野球を楽しむという姿勢は、練習でも試合でも変わりはない。國學院久我山に12点リードされた後も同じだった。「僕が滅入っちゃうと、彼らも下を向く」と語る門多監督は、明るく励ました。「批判もあるかもしれませんが……」と断りつつも、監督自らガッツポーズもした。その雰囲気が、奇跡を起こした。

【次のページ】 練習は部員の自主性を重視

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第159回 東西決戦に有観客の秋季大会。2020年東京都の高校野球3大ニュース【高校野球コラム】
第108回 東東京大会屈指の実力校・都立城東は毎年結果残せるチームを作れるわけ【野球部訪問】
関東一vs城北【東京都 2020年秋の大会 東京都大会】
都立日野vs駒込【東京都 2020年秋の大会 東京都大会】
八王子vs都立富士森【東京都 2020年秋の大会 東京都大会】
早大学院vs都立小平【東京都 2020年秋の大会 東京都大会】
城北vs國學院久我山【東京都 2020年秋の大会 東京都大会】
第118回 夏の選手権、代替大会が切っ掛けとなり、高校野球新時代の方向性も見えてきた【高校野球コラム】
第110回 令和2年度、東京都の異動で勢力構図に変化はあるのか【高校野球コラム】
第1004回 第1シード・徳島北を追いかける城東ら実力校!鳴門、鳴門渦潮の強豪校にも注目!【徳島県大会展望】【大会展望・総括コラム】
第1114回 「甲子園に行く」という強い信念が成功をもたらした 八方悠介(鹿児島城西)【後編】 【2020年インタビュー】
第845回 リトルシニア屈指のリードオフマン・内囿光人(世田谷西リトルシニア)が見据える高校野球とは?! 【2018年インタビュー】
第816回 打たせて取るスタイルに磨きをかける!中村晃太朗(東海大菅生)が目指す投手像 【2018年インタビュー】
第815回 日本一のキャッチャーに!小山翔暉(東海大菅生)が秋季大会で得たもの 【2018年インタビュー】
第814回 都大会優勝・国士舘の1年生4番!黒澤孟朗が考える選抜に向けての課題とは? 【2018年インタビュー】
都立小平 【高校別データ】
城北 【高校別データ】
城北 【高校別データ】
城北 【高校別データ】
東京都市大塩尻 【高校別データ】

コメントを投稿する

コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム