目次

[1]基本的には保存療法から
[2]時間とリハビリ期間を考慮する


 夏の暑さがいくぶん和らぎ、過ごしやすい日が増えてきましたね。秋季大会を行っている地区も多いのですが、一部の地域では新型コロナウイルス感染拡大の影響で、練習に制限があったり、全体練習そのものができなくなったりしているところもあります。収束がなかなか見えない中ではありますが、今の環境下でできることをコツコツと積み上げていくようにしましょう。さて今回はケガをした時に手術を勧められるケースについて、どのようなことを考慮していけばいいかについてお話をしたいと思います。

基本的には保存療法から


 ケガをした際は整形外科を受診し、医師の診察や画像診断などから競技復帰に向けてのプランを立てていくのですが、まれに手術を勧められることがあります。投球障害として代表的なものに肘の内側側副靱帯損傷が挙げられますが、これは一度の外力で損傷し、損傷程度が重篤であるもの以外は、基本的に保存療法が勧められます。これは肘の靱帯損傷が繰り返しの投球動作によって起こるものであり、投球動作を制限したり、周囲の筋肉を強化したりすることで改善する傾向があるからです。ただしある一定期間(2〜3ヶ月程度)を過ぎても患部の状態が思わしくない場合、まったく変わらず痛みなどが続く場合は手術適応となることがあります。自分の持てる力をすべてを出し切るパフォーマンスを100%とした場合、現状で50%を切るほどプレーに支障があったり、そもそもプレーができない状態が続いているのであれば、手術をしたほうがより早く競技復帰につながると考えられるからです。

急性外傷によるものは手術適応が多い


 これに対してアクシデント的に起こった急性外傷の場合、特に骨折などは第一選択肢が手術となることも少なくありません。保存療法で患部を安静に保っていても、骨折で変位(正常な位置から骨がずれていること)などが見られる場合、そのままにしておくと正しい位置に整復できず、運動機能に支障が残ることが考えられるからです。これと同様に顔面にある骨が折れた場合も、変位があれば手術をして元の位置に整復します。鼻骨骨折の場合は、医師によって整復をした後、変位するリスクがなければそのまま保存療法を選択することが多いです。この他にも靱帯が完全に断裂したもの、脱臼などによって周辺部位が激しく損傷し、保存療法によってもプレーに不安が残ったり、支障が出たりするような場合も手術適応となるケースがあります。