
第95回記念選抜高校野球大会は28日でベスト8が出揃った。準々決勝の展望を紹介したい。
大好評の甲子園ベスト8予想を大会前に行った。今回はベスト8予想の答え合わせを行っていきたい。
大会前には各ブロックごとに本命と対抗の学校を挙げさせていただいた。そこで、得点方式と的中数の2項目で挙げていきたい。
得点方式は本命の学校は2点、対抗は1点。つまり満点は16点となる。的中数は本命の学校のみ適用。ここで予想を整理しつつ、各ブロックを振り返る。
本命 作新学院(栃木) 対抗 智辯和歌山(和歌山)
結果 作新学院=的中
作新学院が自慢の強打を発揮し、23年ぶりのベスト8。147キロ右腕・小川 哲平投手(2年)の調子が上がらず、投げられない中でも全員でカバーした野球は見事だった。毎年、どんな選手構成でも勝ち上がる作新学院は素晴らしいとしかいいようがない。
本命 彦根総合(滋賀) 対抗 山梨学院(山梨)
結果 山梨学院
投手力も高く、パンチ力のある打者もいる彦根総合(滋賀)が有利と見ていたが、光(山口)が昨秋とは別のチームになっていた。エースの升田 早人投手(3年)が最速143キロの直球と切れ味鋭い変化球のコンビネーションで圧倒。彦根総合を完封した。打線も力強く、実力の高さを証明した。
ただ、初戦敗退が続いていた山梨学院が開幕戦の勝利から一気に殻を破り、ベスト8まで駆け上がった。今年の主力選手としては下級生から経験を積み、2季連続甲子園初戦敗退を喫し、苦杯をなめていた選手たち。そういった選手たちが歴史を切り開いたことは大きい。
履正社が投打ともに実力を発揮できずに敗れる結果に。もう1試合重ねれば、実力を発揮できたかもしれない。
専大松戸は事前の通り、平野 大地投手(3年)が2試合ともに前評判通りの快投を見せたのが大きかった。創部初の甲子園ベスト8は平野を中心とした粘り強く勝つチームが結実した結果といえる。
本命 広陵(広島) 対抗 二松学舎大附(東京)
結果 広陵=的中
広陵が投打の総合力の高さを発揮し、勝ち進んだ。広陵と対戦した二松学舎大附も、海星(長崎)も実力があり、夏も飛躍を期待できるチームだった。
本命 大阪桐蔭(大阪) 対抗 敦賀気比(福井)
結果 大阪桐蔭=的中
大阪桐蔭は打線の状態が上がらず、苦しい試合運びを見せているが、前田 悠伍投手(3年)をはじめとした投手陣が実力を発揮している。しかし、準々決勝以降は打線の奮起が必須だ。
本命 東海大菅生(東京) 対抗 沖縄尚学(沖縄)
結果 東海大菅生=的中
東海大菅生は大会注目の150キロ右腕・日當 直喜投手(3年)が前評判通りの実力を発揮し、ベスト8進出を決めた。やはりエースが安定して活躍するのは大きい。
本命 報徳学園(兵庫) 対抗 健大高崎(群馬)
結果 報徳学園=的中
報徳学園が前評判通りの実力を発揮し、ベスト8進出を決めた。特に守備が堅く、安定した試合運びができている。守備で失点を防ぎ、上位下位と切れ目ない打線が機能しているからだろう。2試合連続で本塁打も出るなど、勢いに乗っている。
本命 仙台育英(宮城) 対抗 慶應義塾(神奈川)
結果 仙台育英=的中
仙台育英が大事な初戦を勝ってから盤石な試合運びを見せている。準々決勝以降でも自慢の投手陣を最大限に生かすために攻撃陣が機能すれば、夏春連覇は見えてくる。
本命では6校が的中し、合計12点。対抗でも2校が勝ち上がり、2点。合計14点となった。
改めて見ると、前評判が高いチームがそのまま勝ち上がる大会となった。どの試合も僅差で、抜けたチームがなく、どこが優勝してもおかしくない。ただ、豊富な投手陣を上手く機能させるほどの盤石な試合運びを見せた仙台育英が一歩リードしている状況に感じられたが、準々決勝以降の戦いは全くの別物。ここから真価が問われる戦いになる。
(文=河嶋 宗一)