
高橋蒼人と日當 直喜
都大会のトーナメント表
・國學院久我山、帝京などが属するブロック
・修徳、関東一などが属するブロック
・日大三、東海大菅生などが属するブロック
・都立狛江、二松学舎大附などが属するブロック
・ベスト16以上の組み合わせ
1次予選のトーナメント表
・日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
・世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
・日本学園などが属する第13〜18ブロック
・城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック
関連記事
・【選手名鑑】東京都の注目選手
・二松学舎大附のブロックに実力校が揃う!春の東京都大会を徹底展望!
関東一の優勝で幕が閉じた今年の春季東京都大会。今年の東京の2年生投手には有望な投手が多い。その逸材たちを紹介したい。
トップレベルの好投手といえば、帝京の高橋 蒼人投手。伸びのある140キロ前後の速球には勢いがあり、変化球の精度もいい。ゲームメイク能力も高く、西東京の強豪・創価と國學院久我山相手に好投を見せた。特に國學院久我山戦では8安打を打たれながらも完封勝利を挙げた。
攻撃力、機動力、戦術にも長けた國學院久我山相手の結果は自信になる。高橋自身、高卒プロを狙っており、金田監督もそれを後押しできるように指導している。起用法でも連投を避けるなど、大事に育てたい思いが感じられる。
高橋と同じ2年生左腕・安藤 翔投手も、130キロ前半の速球にキレのあるスライダーを投げ分け、さらに牽制も上手い。ゲームメイクできる右投手、左投手がいることはかなり心強い。このまま順調に成長できれば、07年の剛腕・大田 阿斗里(元DeNA)、好左腕・垣ヶ原 達也(元日立製作所)のような騒がれ方をされる存在になりそうだ。
東海大菅生の日當 直喜投手は190センチの長身から繰り出す140キロ前後の速球と120キロ後半のフォークのコンビネーションを武器とする。特にフォークは左打者の膝元に決めることができ、センバツ前の浦和学院との練習試合でも抑え込んでいた。
ただ、若林監督によると、投手、野球選手として必要な知識についてはまだ勉強中と、日々の練習から厳しく教え込まれている。実戦では堂々としていて、器用な投球もできる。メンタル面は強く、大きく育つことを期待したい。
二松学舎大附・大矢 青葉投手は、センバツで最速141キロを計測したが、都大会では打者としての活躍が目覚ましかった。俊足であり、冬の打撃練習とトレーニングで長打力がアップしてきた。アスリート型野手として育つ可能性は十分ある。リリーフで好投を見せた重川 創思投手は期待の本格派右腕。130キロ前半の速球と切れのあるスライダーで翻弄する。1年経てば常時140キロ台の速球を投げる可能性を持っている。
1年生の時から注目されてきた修徳の192センチ右腕・篠﨑 国忠投手も、球速が140キロを超えてきた。明大中野の中村 海斗投手は187センチの長身から140キロ前後の速球を投げ込み、都大会でも力投。ノーシードスタートになるが、23年夏までは注目したくなる。
日大三・安田 虎汰郎投手は、真上から振り下ろす135キロ前後の速球は威力があり、両サイドにしっかりと投げ分けられる。日大三相手に好投を見せた早大学院の西山 恒斉内野手は130キロ中盤の速球、多彩な変化球で封じる好投手でもある。初戦敗退となったが、都立雪谷の御園 拓摩投手も、186センチの長身から常時135キロ前後の快速球を投げ込む。
これほど投手が揃う世代も珍しい。夏の大会では、好投手たちの活躍と新たな好投手の浮上を期待したい。
(文=河嶋 宗一)