今年のセンバツで活躍する選手の中には秋ベンチ外だった選手たちも多い、高校生の成長スピードに驚かせるとともに、成長ぶりをしっかりと見抜いた各校の指導者も素晴らしい。

 改めてどんな選手たちがいたのかを紹介したい。

 本塁打がなかなか出なかった選抜大会、5日目で第1号を放った東海大菅生(東海大菅生)。秋ベンチ外だったのが信じられないぐらいの打撃技術とパワーを持った選手だ。忠岡ボーイズ時代は通算32本塁打を記録したスラッガーで、2017年、東海大菅生が甲子園ベスト4に進んだ戦いぶりを見て、進学を希望したという。新チームスタート時はAチームだったものの、不振によりベンチから外れ、昨秋優勝もスタンドから見つめていた。この冬は懸命に筋力トレーニング、若林監督、コーチ、先輩野手に質問攻めをして、打撃フォームを固めていった結果、センバツでの本塁打。

 その後の都大会でも決勝本塁打を放つなど、信頼を掴んでいる。こんな選手が秋まで出場がなかったのが信じられないのポテンシャルで、改めて東海大菅生の層の厚さを物語っている。

 さらに多井 耶雲もこの冬に浮上し、サヨナラ打を放った。東京都大会ではスタメン出場し、東海大菅生の野手らしい攻守でバランスの取れた能力を発揮している。

 東海大相模も秋ベンチ外だった選手がセンバツで活躍することが多かった。神奈川は春、秋ともにベンチ入り選手の入れ替えが可能だ。しかしその入れ替えでも入らなかった選手が144キロ右腕の石川詠稀は今までベンチ外だったのが信じられないほどの全国レベルの好投手だった。伸びのある140キロ前半の速球、切れ味鋭いスライダーは絶品で、高卒プロ云々のタイプではないが、強豪大学から誘いを受けそうな逸材だった。



求航太郎(東海大相模)

 また求 航太郎も180センチ83キロと恵まれた体格から投げ込む130キロ後半の速球は見応えがあり、来年には145キロ前後まで速くなってもおかしくない。この2人は県大会でさえも登録がなかったのだから、改めて東海大相模の投手力の高さは全国トップクラスのものであることが伺える。

 全5試合でスタメン出場した左の強打者・百瀬 和真もシャープなスイングから広角に鋭い打球を飛ばせる強打者だった。

 仙台育英の遠藤 大胡は昨秋までベンチ外だったが、センバツ3試合で9打数4安打の活躍。ノーステップ気味から力強いスイングで飛ばす中距離打者だ。今後も進化に期待がかかる。

 天理の木下 和輔も秋ベンチ外だったが、主に2番として出場し、パンチ力ある打撃を見せていた。

 そして鳥取城北中木村 連次郎は2試合で6打数4安打の活躍。鮮やかなバットコントロールは目を見張るものがあった。

 京都国際武田 侑大は秋ベンチ外だったが、春先の練習試合で本塁打を連発するなど、密かに注目されていた強打者。10打数3安打ではあるが、打球の速さは一級品。遊撃守備も軽快で力強く、京都を代表する内野手へ成長しそうだ。

 神戸国際大附山里 宝も高い身体能力を活かし、軽快な守備を見せる二塁手だった。

(文=河嶋 宗一