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第1010回 戦国千葉2020年の勢力図を紹介!2020年05月12日
【目次】
[1]平成後期から木更津総合、習志野が第一勢力に
[2]第二勢力~第三勢力、千葉の強豪校の変遷を紹介!
強豪校が多く点在し、群雄割拠な地域から「戦国千葉」と呼ばれている千葉県。
今回は2020年の千葉の勢力図を紹介したい。

千葉県の勢力図を紹介!
平成後期から木更津総合、習志野が第一勢力に
まず過去5年の千葉の優勝校を振り返っていきたい。
2015年春 専大松戸 夏 専大松戸 秋 木更津総合
2016年春 東海大市原望洋 夏 木更津総合 秋 東海大市原望洋
2017年春 専大松戸 夏 木更津総合 秋 拓大紅陵
2018年春 木更津総合 夏 木更津総合 中央学院 秋 中央学院
2019年春 習志野 夏 習志野 秋 習志野
こうしてみていくと現在の千葉の勢力図というのが見えてくる。
【第一勢力】
夏の強さや全国での実績を見て、第一勢力は
・木更津総合
・習志野
だといえる。
まず木更津総合は2003年の夏の甲子園初出場から計7回、選抜2回出場を果たしている。かつて千葉は長い期間、連続出場がなかった時期が10年以上も続いたこともあった。それを考えると木更津総合の強さは突出している。かつての木更津総合の選手は県内中心で、県外の選手は少なかった。
だが、ここにきて県外の選手に入るレベルが高くなっている。その背景として、進学の強さがある。2016年の夏のエース・早川 隆久が早稲田大に進んだように、能力が高い選手が強豪大に進むようになった木更津総合は何より人間育成に厳しく取り組んでいる。
中学生のリクルートの基準も、能力の高さではなく、取り組む姿勢を厳しくチェックしている。
実際に木更津総合の選手たちと接しても、非常に真面目で一生懸命取り組む選手たちばかりで、野球関係者からの評判も高い。
現在の県外選手も進学傾向が強く、甲子園出場レベルの強豪校の誘いを蹴って選ぶ球児も何人かいる。
2019年、3季連続で優勝を飾った習志野はかつての強さを取り戻してきた。選手のレベルも上がってきたのは確かだが、試合前の準備、試合中の気配り、目配りを見ても他校と比べても突出している。
センバツ準優勝したときのチームを見たことがあるが、たとえばノックでもランナーをつけて行うので、内野ノック、ベースカバーでもストップウォッチを計って精度を高めていた。練習の緊張感もとてつもないものがあり、これが勝負強さにつながっていることがうかがえた。
【第二勢力】
・専大松戸
・中央学院
・拓大紅陵
・銚子商
・成田
・東海大市原望洋
まず専大松戸は近年、多くのプロ野球選手を輩出しているように、選手のポテンシャルの高さに関しては県内ナンバーワン。特に冬から春にかけての選手の成長度は著しいものがあり、それが春の強さにつながっている。春、夏のどちらかで甲子園出場がさらに多くなれば、第一勢力に入っていてもおかしくない。
中央学院は2016年秋優勝、そして2018年は春夏で連続で甲子園に出場したように、非常に勢いがある。多くのスタッフを用意し、選手の能力を引き上げることができている。かつて1990年代をリードした拓大紅陵は2017年秋優勝、2019年秋準優勝したように復活の兆しを見せている。また元プロの和田監督が就任し、改革を進めているが、再び選手の力量、野球の質も第一勢力に並ぶ強いチームになるのか注目したい。
1974年夏に甲子園優勝経験のある銚子商は2018年秋から二季連続でベスト4入りと復活の兆しを見せている。今年も投打ともに能力の高い選手を育成している。
成田は千葉ロッテの唐川 侑己、北海道日本ハムの田宮 裕涼など能力の高い選手を育成し、上位進出の常連となった成田。フィジカル強化を行うチームで、グラウンドにはトレーニング器具も豊富で、トレーナーの指導のもと、1年間かけて選手を育てている。
東海大市原望洋も2017年の選抜出場以降から、毎年ベスト8圏内に顔を出している。あと一歩、甲子園を狙うには投打であっと言わせるプレーヤーの登場だろう。
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- 編集長 河嶋 宗一
- 出身地:千葉県
- ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
- ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
- ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
- ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
・印旛時代(1978~83年)
・拓大紅陵時代(1984~92年)
・市立船橋時代(1993~98年)
・千葉経大付時代(2004~08年)
・木更津総合時代(2012年~)
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