第961回 韓国で戦う高校日本代表の野手11人のストロングポイントを徹底分析!2019年08月21日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   
[1]捕手は縁の下の力持ちとして期待 スラッガー・石川の覚醒はなるか?
[2]2年生外野手2人はこの大会を機に成長できるか?

 前回の高校日本代表【投手編】のメンバー紹介に続き、今度は日本代表の野手を紹介していきたい。11人のメンバーのストロングポイントは?

関連記事はこちら
佐々木朗希、奥川恭伸などが選出!侍ジャパンU-18代表20名の顔ぶれ
佐々木、奥川、西らの世界クラスのU18投手陣「9名」を徹底紹介!

捕手は縁の下の力持ちとして期待 スラッガー・石川の覚醒はなるか?



山瀬 慎之助(星稜)

【捕手】2名
山瀬 慎之助星稜) 
水上 桂明石商) 

 星稜の山瀬は、高校生トップクラスのスローイング能力を持つ強肩捕手だ。智辯和歌山戦では、ワンバウンド捕球してから盗塁を阻止するプレーも見せた。イニング間の送球では、1.7秒~1.9秒台の強肩を披露。キャッチング技術も高く、奥川の持ち味を存分に引き出している。ただ、課題は打撃。メカニズム的に課題があることと、22日の決勝戦を終えてからチームに合流するため、木製バットに慣れる時間が少ない。どれだけ打撃面で適用できるかがポイントとなるが、高い守備力が世界のチーム相手にどこまで通用するか楽しみだ。

 明石商の水上はキャッチング技術、スローイング能力、ストッピング能力が長けた好捕手だ。巧打・長打を打ち分ける相手チームからすると“厄介な2番打者”として活躍をみせる。山瀬同様、バッティングのメカニズムを見ると、木製バットへの対応は時間がかかりそう。それでも、事前分析の徹底ぶりがすごく、勝利に対する執念が強い狭間監督のもとで揉まれた「勝負勘の良さ」は、即席の代表チームに良い影響を与えそう。また、水上は投手の特性に合わせてコミュニケーションが取れることも強みだ。
 この2人については、守備面と縁の下の力持ちとして支えることを期待しての選出ではないだろうか。

【内野手】7名
武岡 龍世八戸学院光星) 
韮沢 雄也花咲徳栄) 
遠藤 成東海大相模) 
森 敬斗桐蔭学園) 
石川 昂弥東邦) 
熊田 任洋 (東邦) 
坂下 翔馬 (智辯学園) 

 なんと、今回はショート6人が選ばれる形となった。木製バットの順応力、長打力では、この7人を上回る選手は実際にいるが、現時点での打撃内容、メンタリティなどの部分をかなり重要視した選考となった。

 八戸学院光星の武岡は、甲子園で21打数6安打、1本塁打3打点に終わったが、青森大会で17打数10安打、打率.588と大当たりを見せている。甲子園3回戦と準々決勝では、打撃フォームが崩れ気味で、ヘッドの返しが早く、いわゆる、こねるような打撃だった。武岡は「青森大会では長打狙いではなく、安打狙いに徹した」と語っていたが、それができている時は横のスイング軌道で、広角に打ち分けていた。U18でも、それができれば木製バットでも、安打量産は可能だろう。守備範囲が広い選手のため、強肩自慢の遊撃守備を見せていきたい。

 花咲徳栄の韮澤は、今年の遊撃手の中で、打撃技術の高さは秀でている。広角に打ち分けるバットコントロールの良さが光り、安定感のあるグラブさばきと強肩も魅力だ。打撃フォームを見ると、木製バットの順応も早そうで、高いレベルでの活躍が期待できそうだ。

 東海大相模の遠藤は長打力もあり、打撃フォームを見てもインサイドアウトのスイングができている。甲子園では思い通りの活躍ができなかった分、世界を舞台に暴れてほしい。遊撃手だが、スピード感がやや劣るため、サードでの起用になりそう。

 しかし、遠藤には、東海大相模で叩き込まれた積極的な走塁もある。足を重要視する日本代表にとっては重宝する選手だ。また、投手としても145キロの速球、切れのあるスライダー、フォークを投げることができる遠藤は、戦力としてもかなり大きな存在となる。投手の負担を減らす活躍も期待したい。

 桐蔭学園の森は、夏の神奈川大会で16打数4安打に終わり、本来の力を発揮できなかった。ただ、高校日本代表合宿に参加した際、走攻守で輝いていた。紅白戦では、興南の宮城 大弥から外角高めをとらえて左中間を破る三塁打を放った。その時のスピードが素晴らしく速く、ネット裏で見ていたスカウトも驚嘆の声をあげていた。木製バットの対応力も高く、逆方向にも強い打球が打てる。遊撃手だが、外野手としても十分活躍できる選手だ。

 高校通算53本塁打の東邦の石川は、今年の代表選手で最も長打が期待できる選手。韓国入りする前に行われる練習試合では木製バットにどれくらい順応できているかが、チェックポイントとなる。三塁守備もスピード感があり、抜群の強肩をもつ。ただ、ポジションの兼ね合いから、一塁での起用も考えられる。
 また投手としても制球力が高いので、佐々木、奥川らの主力投手を温存できる形にしたい。

 東邦の熊田は、スピーディな動きと強肩が光るショートストップ。高校日本代表候補の研修合宿では、多くの選手が木製バットに苦しむ中、熊田は微調整を繰り返しながら、打撃練習から快音を響かせ、紅白戦では右、左に打ち分けていた。研究熱心な姿勢は、熊田の良さでもある。 
 打撃面で存在感を示すことができれば、いろいろなポジションで起用もされるのではないだろうか。

 智辯学園の坂下は164センチと小柄ながら、奈良大会で5本塁打を放った強打が魅力。さらに全力プレーで味方を鼓舞することができるファイターでもあり、そこも選出のポイントになったといえる。

 打撃のメカニズムを見ると、全身を使って、しっかりと振り切る豪快さがあり、当てに行くようなことはない。木製バットは手打ち打法では、絶対に飛ばないので、坂下のスタイルは、木製バットでも強みが発揮できるはず。スピード感溢れる守備も魅力で、これまで二塁手の経験があるので、打撃で存在感を示して、二塁手スタメンを確保したい。

【次のページ】 2年生外野手2人はこの大会を機に成長できるか?

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第985回 第50回記念 神宮大会を沸かせる16名の逸材打者たち!【明治神宮大会】【大会展望・総括コラム】
第242回 U-18代表の横山、鵜沼が筆頭!厳選外野手18名リスト【ドラフト特集コラム】
第54回 U18大会では切り札的な活躍を見せている背番号「11」を背負った歴代の好投手たち【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
第53回 背番号「18」をつけた歴代のU18投手たち!その後の成績はいかに?【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
第52回 森友哉、高橋周平など優秀な選手が多い歴代のU-18代表の3番打者たち【2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ】
第1052回 目指すはナンバーワン野手。さらにレベルアップし、来年も日本代表へ 横山陽樹(作新学院) 【2019年インタビュー】
第1051回 韓国でもいつも通り。リリーフエース・飯塚 脩人の恐るべき精神力の強さ 【2019年インタビュー】
第1050回 「奥川の持ち味を引き出すことに関しては誰にも負けない」 奥川快投の裏には必ず山瀬慎之助(星稜)がいる 【2019年インタビュー】
第1050回 甲子園・W杯合わせて10勝。水上桂(明石商)は大舞台で勝てる捕手として邁進中! 【2019年インタビュー】
第1033回 静かに剣を研ぐ伸び盛りの2年生 作新学院・横山陽樹が実践力の高さをアピール 【2019年インタビュー】
侍ジャパンU18代表vs宮崎県選抜【2018年 第12回 BFA U18アジア選手権】
侍ジャパンU18代表vs明治大学【2018年 第12回 BFA U18アジア選手権】
侍ジャパンU18代表vs侍ジャパン大学代表【2018年 第12回 BFA U18アジア選手権】
侍ジャパンU18代表vs立教大【2018年 第12回 BFA U18アジア選手権】
アメリカvs韓国【第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ】
安樂 智大(済美) 【選手名鑑】
飯田 晴海(常総学院) 【選手名鑑】
逸崎 友誠(明徳義塾) 【選手名鑑】
岩重 章仁(延岡学園) 【選手名鑑】
上林 誠知(仙台育英) 【選手名鑑】
内田 靖人(常総学院) 【選手名鑑】
奥村 展征(日大山形) 【選手名鑑】
熊谷 敬宥(仙台育英) 【選手名鑑】
園部 聡(聖光学院) 【選手名鑑】
髙橋 光成(前橋育英) 【選手名鑑】
高橋 由弥(岩国商) 【選手名鑑】
田口 麗斗(広島新庄) 【選手名鑑】
竹村 春樹(浦和学院) 【選手名鑑】
松井 裕樹(桐光学園) 【選手名鑑】
森 龍馬(日大三) 【選手名鑑】
森 友哉(大阪桐蔭) 【選手名鑑】
山岡 泰輔(瀬戸内) 【選手名鑑】
吉田 雄人(北照) 【選手名鑑】
若月 健矢(花咲徳栄) 【選手名鑑】
渡邉 諒(東海大甲府) 【選手名鑑】

コメントを投稿する

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム