春夏合わせて3度の甲子園出場。さらに金久保 優斗島 孝明という2人の投手を高卒プロ入りさせるなど、激戦区・千葉県で強豪として注目が集められる東海大市原望洋。今夏は専大松戸に5回戦で敗れたが、木村 旭が強力打線を1点に抑える投球を披露した。

 さらに今年は三山 大輔太田 豊人という左右のWエースを擁する。「2人の存在は大きいです」と相原 海人主将も話すほどの存在感だ。しかし、それだけの投手が育つのはどんな秘密があるのか。今回はそんな疑問をもって、市原市に所在する東海大市原望洋のグラウンドを訪ねた。

会話のキャッチボールの多いブルペン


  両翼91メートル、センター118メートルの広大なグラウンドをフルに活用して日々練習を行う東海大市原望洋。「現時点では5点を取れる打線だと思っているので、この時期であることを考えれば、良い打線だと思います」と指揮官・相川 敦志氏も語るように、グラウンドからは快音が響く。見ていて気持ちいいバッティングだ。

 そこから少し離れたレフト奥にブルペンがあり、取材日は投手陣が精力的にピッチング練習をしている姿が見られた。

 その時に気が付いたのは、18.44メートルで飛び交う言葉のキャッチボールが多いことだ。

 「(カウントは)2-1?そうしたら1球外したい」(ピッチャー)
 「(投げ終えて)内に外れちゃダメだ」(キャッチャー)
 「(キャッチャーに向けて)なんで外したいと思った?(ピッチャーに)言われたときに何を感じたの?」(濱崎雄作部長)
「自分は先にインコースで取りたいと思ったのですが、その前に外を見せようと思いました」(キャッチャー)

 取材日のブルペンであった会話の一端だが、投手指導を担当している濱崎部長を交えた三者間でコミュニケーションが頻繁だった。

 ブルペンというと、ボールの結果に対してキャッチャーがいくつか言葉を発する。もしくは投手がフォームなど技術的に気になったことを話すことはあっても、実戦を想定しつつボールの意図まで細かく話すことは少ないのではないだろうか。

 このことについて、投手陣の指導を中心に当たっている濱崎部長は、実戦意識が大事だと話す。
 「練習から意図をもってやるべきだと思っています。試合であればボール1球投げるのに意図がありますから、試合のような感覚で投げなさいと。投球練習という感覚で投げないように指導しています」

 左のエース・三山は当初、「中学と違い、改めてコミュニケーションの重要性を確認できました」と認識を改めると、現在は「今年は試合になってしまうと普段通り投げられない投手が多いので、練習から実戦意識を持って取り組むことは課題になっています」と試合を強く意識してブルペンに入っている。

 実際、ブルペンで50球投げるのであれば、10球はその日投げたいボール。投球練習として確認作業に費やすと、残り40球は試合を想定して投げるようにして、試合に備えているそうだ。

 ピッチャーばかりが工夫をしているように思われるが、キャッチャーも要求したところに投げてもらえるように、工夫をしているという。

 「要求するボールにどんな意図を持たせるのか。また要求に応えてもらえるように、同じコースに同じ球種のサインを出しても、カウントによって構えるところも変えるようにしています」(日髙 彰太

PHOTO GALLERY フォトギャラリー

写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。