第167回 報徳学園に勝つために神戸弘陵(兵庫)が始めた日本一の下克上【前編】2021年01月20日

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【目次】
[1]報徳学園の大敗から始まった
[2]先を見据えて勝負に出た地区予選


 甲子園のお膝元であり、全国でも有数の激戦区である兵庫県。昨秋の県大会では神戸国際大附が頂点に立ち、近畿大会ベスト8まで勝ち進んだ。他にも明石商東洋大姫路など実力校が揃う地区だが、そのなかの1つである報徳学園を破ったのが神戸弘陵だった。

 旧チームは野島 勇太を擁していたが、これまでにも飯田 優弥などプロ野球選手を輩出している実力校だが、いかにしてライバル・報徳学園を破ったのか。

報徳学園の大敗から始まった



神戸弘陵のキャッチボールの様子

 入り口にはサッカー部の横断幕が数多くあり、入ってすぐのところには全国屈指の強豪として知られる女子野球部のグラウンドがある。部活動が盛んなことがすぐにわかる神戸弘陵のグラウンドは校舎内の奥にあった。

 近くには寮や雨天練習場、さらにはサブグラウンドなど施設が充実しており、選手にとって嬉しい環境である。取材当日は実戦練習を多めにやりながらも、空いているスペースを使ってトレーニングをするなど時間を無駄にしていないのが印象的だった。

 ただ新チームスタート時は決して力がなかったことをエース・時澤 健斗は語る。
 「打力がないだけではなく、守備も練習試合から勝負所でミスをしてしまうことが多かったです。そこから選手間で指摘し合ったことで成長したと思います」

 攻守ともに課題を感じていたが、主将の林 天翔も「守り勝つチームを目指してノックをたくさん受けましたが、最初はボロボロでした」と発足時の状況を振り返る。それでも守り勝つチームを作るべく、ノックを中心に受けながら1プレーずつ選手間でも声を掛け合って、守備力強化を図ってきた。

 指揮官の岡本 博公監督も「投手力があったので、センターラインを中心に野手がどれだけ周りを固められるか」と言うことに焦点を当ててチームを作り上げていった。そのなかで、チームにとって大きな節目が来た。8月末に練習試合でライバル・報徳学園と2試合を行った。

 秋の大会でも対戦する可能性もあり、大事な一戦だったが、内容は神戸弘陵にとっては厳しい結果だった。
 「2試合とも2桁失点をしてしまい、打っても1点くらいしか取れない試合展開でした。それくらい大差を付けられたので、『秋戦ったら勝つぞ』と思って練習への取り組み方は変わりました」(林 天翔)

 岡本監督はこの試合で指揮を直接とったわけではないが、チームの変化を感じ取っていた。
 「選手たちも試合を経て強さを感じていましたし、部長からも『報徳さんに勝たないと』と言うことは言っていましたので、練習を通じて自信を深められるようにしていきました」

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