目次

[1]緊張感のある練習を繰り広げる帝京ナイン。そして今年の戦力は?
[2]現在の課題も去年と比べれば進歩。秋は意味のある大会へ

 9年ぶりに東東京優勝を決めた名門・帝京。今度は11年ぶりの秋の東京王者を目指し、真夏の中で厳しい鍛錬を積んでいる。今年はどんなチームなのか?新チームの戦力、課題を徹底特集する。

緊張感のある練習を繰り広げる帝京ナイン。そして今年の戦力は?


 輝かしい東東京優勝から約2週間後。
 帝京は緊張感が伝わる練習を行っていた。前チームの主将・加田 拓哉の誰に対しても厳しい姿勢を継承し、今年も選手同士で厳しい指摘を行う。

 その中でも新主将・武藤 闘夢の口調は一番厳しい。あえて嫌われ役を買って出ているような雰囲気だ。首脳陣からは加田は外野手だったが、武藤は内野手の要である遊撃手を守っているからもっときついのではと語る。ただグラウンドを降りた時の武藤は穏やかな一面を持った選手だ。
「グラウンドでの自分、それ以外の自分は分けているようにしています。グラウンドで起きたことは持ち込まないようにしています」

 

 緊張感のある練習で、プレッシャーがかかる中でも、選手たちの動きは実にキビキビとしており、やはり他のチームの選手と比較しても、帝京の選手たちのプレーの精度の高さ、真剣度の高さが伝わってきた。

 戦力的なもので見ると、例年のように上級生主体のチームだ。今年は堅守巧打の遊撃手で主将の武藤に加え、超俊足の杉本 直将毅尾瀬 雄大、高橋大陸の経験者がいるのは心強く、前田監督も、「夏の経験者が中心になることは間違いありません」

 帝京の打撃練習を見ると、Aチームだけではなく、Bチームの選手の能力も非常に高いのが分かる。前田監督から「今年の1年生は飛び抜けた選手はいないかもしれないが、すべてにおいて無難にこなせる選手です」と語るように、Bチームの1年生も外野手の間を抜く打球を連発するだけではなく、さく越えの打球もあった。コーチ陣によると、少しずつ打球を遠くへ飛ばす感覚、フォームを身に着けた選手も多く、体格も良いので、レギュラー陣と遜色ないものがあった。

 またAチームは投手相手に打撃練習を行う実戦形式。慣れてくると次第に鋭い打球を放ち、さすがの打撃を見せた。こうした対応力の高さ、守備など総合力の違いがレギュラーの有無の違いだろう。

 投手では190センチの大型右腕・植草 翔太がキーマン。夏では目白研心戦で先発登板を果たした。今年の正捕手・新垣熙博の弟・飛熙はセンターも兼任し、Bチームで、打力を磨き、打者として注目されている。また、安川 幹大も140キロ近い速球を投げ込み、安定感は評価されており、植草もライバル視している好投手だ。