目次

[1]確かな知識に基づく声掛け
[2]選手同士で伝えあうことで統一感を作り上げた

選手同士で伝えあうことで統一感を作り上げた



練習中のミーティングの様子

 しかし意思統一という観点においては、現在の昌平は3学年で81名の大所帯。意思統一させるのも一苦労だ。そこに関しては「永遠のテーマですね。ただ、好きな野球をやるうえで、チームで目標を掲げて同じ方向へ動いていく雰囲気作りは、選手たちから作っていくものだと思っています」と黒坂監督は考えている。

 経験豊富な世代だったからこそ、自主性をもって練習には取り組めていた。そこから主体性をもって選手間で問題提起をして、解決をしていく。選手間で練習の質を高めていくことが必要だと考えながら練習に取り組んできた。

 実際に新チームスタート時は千田主将を筆頭した中心選手4人に対して「仲間に『どうしてそれが出来ない』というのではなくて『こうやってやるんだ』と伝えるのも役割だ」と相手の気持ちに立ってフォローする重要性を伝えていた。確かに吉野哲など主軸打者たちがチームメイトへアドバイスする姿は頭ごなしではなく、丁寧に説明していた。

 また新チーム発足時は走塁に力を入れていた昌平は、この世代に関しては千田主将と角田の2人に黒坂監督はレクチャーを任せた。それだけ全幅の信頼を寄せている証でもあるが、選手間で教え合うことでチームの一体感を築き上げてきた。

 この取り組みは千田主将にとって大きなプラスがあった。
 「それまで監督の近くでやってきたことを自分たちで教えることで理解度は深まりました。また周りが見えるようになって、目配り気配りは出来るようになって。プレーにもいい影響がありました」

 選手たちの間で指摘し合える風土を経験者たちから自然とできるようになったことで千田主将は「チーム全体の知識への理解度は高まりました」と手ごたえを感じていた。黒坂監督も「理解度は相当なモノでしたし、上手くいっていますね」と納得の表情だ。

 では、なぜ昌平は走塁から力を入れていくのか。その答えを黒坂監督に問いかけると、深い内容があった。
 「走塁のことを考えると研究熱心になります。アウトカウントやボールカウントを考えたうえで、相手のスキをつく。どうやって攻撃をしていくのか。色んなことを考えるようになります。そこで気づいたことを、今度は守備ではやらせないようにしようと言うことになるんです」

 野球は表裏一体のスポーツである。特に走塁はその一面が出やすい。走塁で培った意識や知識を攻守に還元する。こうすることで、ピンチを救う豊富な知識をさらに積み重ねていこうとしていたのだ。

 今回はここまで。後編では秋季大会から自粛期間までのチームの歩み。そして独自大会への想いを伺いました!後編もお楽しみに!

(取材=田中 裕毅)


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