強打者を育てた打撃練習法 /東海大甲府(山梨)

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第7回 強打者を育てた打撃練習法 /東海大甲府(山梨)2012年10月24日

【目次】
[1] 逆方向への強打線の秘訣は「押し手」の意識
[2] 球を握らせない2ヶ月
[3] 理想のスイング「ダウンレベル」
[4] 頭の中のイメージと実際の動きを一致させるために

 森野将彦、高橋周平(ともに中日ドラゴンズ)ら数多くのプロ野球選手を育て上げた名将が考える全国の強豪相手に勝つための打撃とはいかなるものか。1番の肝となる「ダウンレベルスイング」のフォーム解説を交えながら、その理論と練習法を公開していただいた。

逆方向への強打線の秘訣は「押し手」の意識

――ベスト4に進出した今夏の甲子園ではチーム打率3割2分。特にセンターから逆方向への力強い打球が印象に残りました。

村中秀人監督(以下「村中」) 子供たちにもいつも言っているんでが、甲子園で勝つチームの打線というのは、全員がセンターから逆方向に打てるんです。

 もちろん、ちょこんと当てるだけのバッティングではありません。逆方向に引っ張るスイングを習得しなければ県大会も勝ち切れないし、甲子園に行ったとしても勝てないということは頭に入れさせています。

▲高橋周平(中日ドラゴンズ)

――昨年のドラフトで中日に1位指名された高橋 周平選手も広角に強い打球を打っていましたね。

村中 ただ、(高橋)周平だって最初からそうだったわけではありません。ライトにはポン、ポンとホームランを打てました。ですが、プロでも活躍したいなら逆方向にしっかりとした打球、長打を打つことが大事ですから、そうした練習に取り組んだんですが、どうしても左手が負けてしまってフライになってしまう。

 それで『逆方向は押し手だぞ。(左打者は)右手でリードして、左手の押し出しを意識しろ』と教えました。3年の春の県大会の決勝戦で、外寄りの高めの球をイメージ通り押し手を使って逆方向に打ったんですが、レフトが一歩も動けないまま、打球は小瀬球場の上段まで届いたんです。それを見て、周平はプロに行けるなと確信しました。

 それと、これは私が東海大学、社会人・プリンスホテルで一線級のピッチャーと対戦して感じたことなんですが、押し手が使えないと相手の球が140km/hクラスになると球の力に負けてしまうんです。インパクトの瞬間に押し手でしっかりとバットのヘッドを立てて打ち返すことも大事だと考えています。

――押し手は特に重要視されているんですね。

村中 そうした自分の体験で学んだことも取り入れていますし、東海大相模高校、東海大学時代に原貢監督に教わったことも生かしています。原監督のバッティング理論の根幹は腰の回転と、引き手のリード。球をポイントまでしっかり引きつけて、体を腰の回転で回して引き手のリードでバットを振り抜く。それは私の指導の中での基本にもなっています。

――逆方向に限らず強い打球を打つためのポイントはどんなことでしょうか。

村中 やはり土台となる下半身がしっかりしていないとバットを振れませんよね。うちは12月、1月というのは基本的に球を握りません。キャッチボールやノックもほとんどやりません。

 球を使った練習を行うとしたらティーバッティングやロングティーくらいで、徹底して下半身や体幹の強化トレーニングに費やしています。主にランニングやウェイトトレーニングですが、ただ走るだけだと飽きてしまうのでハードルを入れたり、タイヤを引いたりといった、サーキットトレーニングをよくやります。

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プロフィール

鷲崎文彦
鷲崎 文彦
  • 生年月日:1975年
  • 出身地:東京都
  • ■ 小学3年から野球を始め、高校では硬式、大学では準硬式で野球を続ける。大学卒業翌年にはOBが務めるのが慣習だったこともあり、準硬式野球部の監督を経験。以後、フリーライターとして週刊誌、月刊誌、ムック本などでスポーツを中心とした取材、執筆活動を展開。
  • ■ 理系出身であることを生かして「図解雑学 野球の科学」(ナツメ社)の製作に携わるなど、あらゆる角度からスポーツにアプローチし続けている。昨年、小関順二氏、氏原英明氏とともに「検証 甲子園2009」(講談社)を刊行。「高校野球ドットコム」では安福一貴の「塁間マネジメント」の構成を担当。書籍からネットと幅広く活躍。
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