
古川雄大(佐伯鶴城)、蛭間拓哉(早稲田大)、野田 海人(九州国際大付)
昨年3位の西武。22年のドラフトは本指名6人、育成指名4人だった。キャンプ前にドラフトを総括していきたい。
西武は選手の力量以上に人間性の良さをどの球団よりも高く評価して指名しているように感じられた。いるだけでも周りを明るくさせる、チームの雰囲気を変える、性根の良い選手が多い。老若男女に愛されるナイスガイが多いのだ。
1人1人ずつ振り返りながら、人物面のエピソードがある選手についても触れていきたい。
1位の蛭間 拓哉外野手(浦和学院ー早稲田大)は東京六大学通算13本塁打を記録したように、トップレベルの数字を残したスラッガー。ラストシーズンは打率3割以上を残すことはできなかったが、それでも1位になったのは、1軍でもそれなりに成績が残せそうな基礎技術があり、守備も基本を押さえており、脚力も高いからだと思われる。大学生スラッガーとしては体力面も問題ない。西武は外野手を固定できていない状況もあり、蛭間のようなスラッガータイプは1軍争いに加わるだろう。オープン戦や、開幕序盤からアピールすれば、スタメンとして1年間起用し続けたい選手だ。
蛭間は人当たりの良い人柄でもある。浦和学院では主将、早稲田大では副将を務めたが、能力は主役クラスだが、チームとして脇役にまわり、主役となる人物を立てて、サポートできる一面があった。いろんな野球イベントを見ても、子どもたち相手にしっかりと盛り上げることができる。プロ野球選手としてお手本になるような行動ができる。また、野球理論もしっかり持つなど、同い年の選手から頼られるほどだ。
実力、人間性含めて、これからの西武を背負って立つ選手であることは間違いない。
2位の古川 雄大外野手(佐伯鶴城)は、22年の高校生外野手ではトップレベルの評価を受けていた。抜群の長打力に、俊足、強肩と1つ1つのスペックは見栄えがする。だが、課題は多く、NPBのレベルの高い投手陣に対応するのは時間がかかりそうだ。1年目は2軍でも打率1割台になっても仕方ない。ただ古川をインタビュー取材していて思ったのは自分を客観視していて、ドラフトではライバルとして、同じ高校生だけではなく、実力の高い大学、社会人の選手たちとの競争になることを理解していた。
性根が良い選手だと実感している。不器用ではあるが、こういう選手は何かコツをつかんだ時はとてつもないパフォーマンスを発揮する。そんな成長曲線を期待したいし、西武にとっても自身の育成力の高さをアピールできる選手だと思っているので、これからの成り行きを見守っていきたい。
3位の野田 海人捕手(九州国際大付)は、一級品の強肩と2季連続の甲子園に導いたリードセンスと、ディフェンス力の高さは22年の高校生でもトップクラスだった。ただ木製バットの対応を見ると時間がかかりそうで、持ち味を発揮するのは高卒3年目以降からではないか。投手陣から信頼を集めそうな守備力を持っているので、まずは2軍の正捕手を目指したい。