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[1]ディフェンス面は2013年ナンバーワンの評価だった
[2]スコアラーの目から見る小林誠司の課題

[1]ディフェンス面は2013年ナンバーワンの評価だった
[2]スコアラーの目から見る小林誠司の課題


 今では野球ファンの間で大人気コンテンツとなっている「ドラフト会議」。ドラフト会議で新人選手を獲得することは、プロ野球球団の骨組みを作って行く上で欠かせないものであり、その成果を高めるため12球団は綿密に戦略を練っている。今回は長年、巨人のスコアラー、編成に関わった三井康浩さんにお話を伺い、当時のドラフト秘話をシリーズ別で掲載。今回は巨人の正捕手・小林誠司(広陵-同志社大-日本生命)の獲得秘話である。

ディフェンス面は2013年ナンバーワンの評価だった


 ドラフト1位になる選手は即戦力になる大学・社会人の投手、将来のエースになれる器を持った高校生投手、スラッガー、走攻守三拍子揃った野手になることが多い。その中で小林のように守備型の捕手がドラフト1位になるのは、かなり珍しいケースだ。

 三井さんによると球団は小林の守備力を高く評価されていた。「同志社大学の時からキャッチャーではナンバーワンという評価でして、担当スカウト部長が『彼の場合は10年間間違いない』と言う選手で全員が納得して獲得しました。肩と守備力、フットワークは一流、全国No,1でしたが、その中でもずば抜けていたのがスローイング。肩の強さや捕ってからの速さ。それと正確性がずば抜けていましたので、ドラフト1位は間違いないということで指名に至りました」

 2013年の捕手といえば、森 友哉大阪桐蔭-埼玉西武)がいた。打撃面は文句なしの高評価だったが、一方で、キャッチングなどディフェンス面では非常に時間がかかる評価だった。実際に森はDH中心の出場から年々守備力を高め、昨年、正捕手として2年連続優勝に貢献し、パ・リーグMVPを獲得できるまでに大きな成長をしたが、当時の巨人は阿部慎之助の後継者として守備面で即戦力となりうる捕手の成長が急務だった。

 また守備力の高さだけではなく、打撃面の成長も評価につながった。小林は社会人2年目となった2013年は、表彰基準対象選手50名中、4位タイとなる打率.386(57打数22安打 1本塁打9打点)と好成績を残し、捕手部門のベストナインも獲得したについて三井さんは「ある程度ですね。バッティングもそこそこ行けるだろうと。彼の守備力は編成上で必要でしたので、獲得になりましたね」
 「ある程度」という言葉にあるように、成績を残しても打撃面は時間がかかる選手だと見ていた。
「阿部慎之助(安田学園-中央大)みたいに入団してからクリーンナップを打てるような能力はまだなかったです。やはりレギュラーになるには、守備力+打撃と言うのは必要ですので、そのところは磨いていかないといけない部分だと思っていました」

 小林は1年目から63試合に出場。2年目は70試合出場のうち、捕手としてはチーム最多の68試合出場。そして3年目は自己最多の129試合に出場。2017年にはWBC出場。2018年まで3年連続で100試合出場。そして2016年から4年連続でセ・リーグトップの盗塁阻止率を記録しているように、試合数、盗塁阻止率を見れば、巨人の正捕手に成長しているように感じる。