第129回 【小関順二のドラフト指名予想】福岡ソフトバンクホークス編「3、4年先を見据えて!今年も高校生主体の指名か?」2017年10月21日
【目次】
[1] 今年も引き続き高校生主体の指名か?
[2] 九州勢の上位指名に期待!
福岡ソフトバンクホークス 今季戦績
143試合 94勝 49敗 0分 勝率.657 セ・リーグ1位(2017年度シーズン終了現在)
今年も引き続き高校生主体の指名か?

柳田 悠岐(福岡ソフトバンクホークス)
08年以降の過去10年間、Bクラスはわずか2回で、リーグ優勝5回、日本一3回を誇る現在のプロ野球界の最強チーム。今季はチーム防御率3.22が12球団ナンバーワン、チーム打率.259が12球団中3位とスキがない。
タイトル獲得者を見ると、投手部門では最多勝が東浜 巨(菊池 雄星と受賞)、勝率1位が千賀 滉大、最多セーブがサファテ、最優秀中継ぎが岩嵜 翔と人材が揃い、攻撃部門ではデスパイネが本塁打王、打点王の二冠、柳田 悠岐が最高出塁率に輝いている。今後ベストナイン、ゴールデングラブ賞が決まればそこに今宮 健太、松田 宣浩という名前も加わってくるだろう。
こういう人材が豊富に揃っている球団は3、4年先を見据えたチーム作りをする。2014、15年には高校生を主体にした指名を展開し、16年も1位の田中 正義以外の3人は高校生だった。彼らの輩出スピードが遅いが、17年は13 年4位の上林 誠知が規定打席に初めて到達し、13本塁打、51打点という成績を挙げ、10年育成6位の甲斐 拓也がリーグ3位の盗塁阻止率.324を記録、14年1位の松本 裕樹は一軍で2勝4敗という成績を残した。高校生主体のドラフト戦略が間違いでなかった、という手応えがあった今年は引き続き高校生主体の指名が行われそうだ。
1位入札は清宮 幸太郎(早稲田実業・一塁手)が候補ナンバーワン。一塁手はベテランの内川 聖一(来季36歳)、明石 健志(32歳)が守っているが、清宮が台頭する頃に世代交代が行われるくらいの年齢差で違和感はない。また清宮側が要望していた「厳しく鍛えてくれる環境」は、筑後のファーム施設があって万全。近年、育成ドラフト出身の千賀、甲斐、亀澤 恭平(中日移籍)、石川 柊太などが続々と戦力になっているが、筑後の施設がフル稼働する今後、さらに若手の一軍への輩出スピードが上ると予想できる。

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ
