第4回 ミスター完全試合・槙原寛己が振り返る金村義明との対決。報徳は怖そうな奴がいっぱいいた【中編】2019年12月28日

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【目次】
[1]2年の甲子園出場である程度はやれると思った
[2]強豪校と倒し、一気に優勝候補に

強豪校と倒し、一気に優勝候補に



槙原寛己氏

 当時の愛知県秋季大会はベスト4からはリーグ戦という形で争われていた。その年は大府と中京、愛知西尾東が残っていたが、大府が3勝で1位となり、東海地区大会も鈴鹿、中京商(岐阜=現中京学院大中京)、東海大工(現東海大静岡翔洋)を下して優勝して文句なしのセンバツ切符を勝ち取った。槙原投手は東海大会3試合では中京商での2失点のみで2試合を完封としている。

 センバツの初戦は金村義明投手を擁する報徳学園で、優勝候補の一角にも挙げられている強豪校だった。

―― 初戦の相手は、金村投手擁する報徳学園ということだったんですが、どんな思いでしたか。

 そりゃ、相手は全国的にもよく知られているところだし、顔見たら怖そうなヤツがよけおるんですよ(苦笑)。それに今と違って、当時はセンバツまでは試合をしてはいけないということになっていましたから…。実質4カ月ぶりくらいの登板で、ぶっつけ本番という状況でした。

―― そんな中での甲子園のマウンドということでしたが。

 そんなに調子はよくなかったんですけれども、チームが先に点を取ってくれて、試合には勝つことができました。

―― この試合、金村選手に本塁打を打たれていますね。

 あれが、高校入学して以来、初めて打たれた本塁打でした。しかも、引っ張って持っていかれましたからね、あれには驚きました。ほとんどストレートを引っ張られることなんて言うのはなかったですから、やっぱり全国だなということは思いました。ただ、試合の展開としてはリードしていた中でのソロホーマーの1点でしたから、ダメージは少なかったかなということは覚えています。

―― こうして、優勝候補の報徳学園を下したわけですから、地元では大騒ぎだったでしょうね。

 そうでしょうね。まあ、ボクらはずっと甲子園にいたんで、わからないですけど。

―― そして迎えた2回戦、和歌山の御坊商工(現紀央館)に、思わぬ形で敗れてしまうということになるのですけれども。

 あれは、朝からずっと雨でやっちゃいけない天候の中での試合だったと思います。まあ、相手も同じ条件ではあるのでしょうけれども…。今だったら、間違いなく中止になっていた天候だったと思います。

 中編はここまで。後編ではプロで159勝を挙げた槙原氏の、球数問題についての考えも語ってもらいました。後編もお楽しみ。

(取材=手束 仁)

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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