第50回 これをすれば失点は防げる! 明徳義塾(高知)の「一塁手守備練習」2019年09月15日

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【目次】
[1]実は難しい「一塁手の守備」
[2]一塁手の送球待機姿勢は「半身でグラブを地面に付ける」/「一塁手の守備向上」にこだわれば、強いチームが作れる

一塁手の送球待機姿勢は「半身でグラブを地面に付ける」



実際に自身がファースト守備について指導する馬淵史郎監督

 アップ、シートノックに続き、守備側と攻撃側に分かれたケースバッティングに入った明徳義塾の練習。その横で内村 英二郎コーチが一塁手への個人ノックを始めた。置きベースにつま先を当てて送球に見立てたノック打球を捕球しようとする選手に、すかさず内村コーチから声が飛ぶ。

 

 「そうじゃない!ベースの面に足を置くんだ!」ボールケースをベースに見立てて足の形を示す内村コーチを見ながら馬淵監督が説明を加えてくれた。

 「最初にこうしうとかないと少しでもボールが逸れるとベースを足で探してしまう。そこで踏み外しが起こってしまうんよ。そこでもし送球が大きく逸れたらベースを外して捕球すればええんや」

 2017年夏の甲子園・大阪桐蔭vs仙台育英戦で仙台育英の逆転サヨナラにつながった「一塁ベース踏み外し」。確かにあの時も大阪桐蔭の一塁手はベースを後ろ脚で探してしまっていた。

 

 そしてもう1つ、明徳義塾の一塁手守備練習で留意しているのは、送球を受ける時の待機態勢。明徳義塾では半身でグラブの先を地面に付ける待機態勢を徹底している。その理由は明確である。

 「送球がワンバウンドになった時、すくい上げるために最初からこの形を作っておくんよ。この形にしとけばもし完全捕球できない時も前にしか弾かないから大きなエラーにはならない。あとは送球の高さによってグラブと身体を動かせばいいんや」(馬淵監督)

 

 よって基本のゴロ取りでも一塁手は待機姿勢を保ったままでの捕球が加えられる。こうやって明徳義塾では堅実な一塁手を育て上げていくのだ。

「一塁手の守備向上」にこだわれば、強いチームが作れる


 その他にも「一塁手が送球を受ける時は的になれるように早めに送球の待機姿勢に入るのが大事。逆に送球時には一塁手が待機姿勢に入れるような「間」を作ってやることが大事」など、一塁手の極意を様々な視点から教えてくれた馬淵監督は最後にこう締めた。

 「いい一塁手がいるチームは強い。失点が確実に減るからね」

 これは高校野球のみならず小中学野球や草野球に至るまでの共通項。ぜひ皆さんも簡単な練習でできる一塁手の守備向上に取り組んでみてはいかがだろうか。

(記事=寺下 友徳

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明徳義塾 【高校別データ】

プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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