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第36回 U-18ワールドカップ会場・機張(キジャン) ドリームパークはなぜできたのか?2019年09月05日
【目次】
[1]誕生のきっかけは野球博物館の建設計画だった
[2]野球を通した国際交流の場に
誕生のきっかけは野球博物館の建設計画だった

李相鉉チーム長
360度、どこを見ても野球をしている。野球ファンには、たまらない光景だ。
現在U18野球ワールドカップが開催されている機張(キジャン)現代(ヒョンデ)ドリームボールパークは、補助球場を含め、4面の野球場を有している。厳密にいえば、少し離れたところにリトルリーグ用の球場とソフトボールグラウンドがあるので、6面のフィールドを有することになる。
場所は釜山(プサン)の中心部から1時間以上離れ、リゾート地として知られる海雲台(ヘウンデ)の北側の小高い山の中にある。
地名としては釜山広域市機張郡となる。広域市は日本の政令指定都市に似ているが、周辺の郡部も市に編入することがある。
釜山は昔から野球が盛んで、韓国では「球都」と呼ばれているが、いったいなぜ市の中心部から離れた機張郡に、これだけの野球施設ができたのか。そのきっかけについて、この施設の管理運営をしている機張郡都市管理公団のマーケティングチーム長である李相鉉(イ・サンヒョン)氏は、「野球の名誉の殿堂、言い換えれば野球博物館を誘致したことから始まったのです」と語った。
北京五輪で金メダルを獲得し、第2回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で準優勝するなど輝かしい実績を誇る韓国球界にとって、日本では東京ドームにあるような野球殿堂博物館を建設することは悲願であった。ソウル、仁川(インチョン)などの地方自治体も、博物館招致に手を挙げた。そうした中で、機張郡での建設が決まったのは、ボールパーク全体の計画が評価されてのことだった。
ただ肝心の博物館の方は、運営費の問題などで、まだ建設に至ってない。機張郡が土地を提供し、釜山市が建物を建て、プロ野球機構であるKBO(韓国野球員会)が運営することになっているが、費用と収入のバランスが問題になっているようだ。その他にも室内練習場も建設されることになっており、施設自体が未完成といった感じだ。