第45回 記録にも記憶にも残る奥川恭伸のピッチング。奥川は伝説の投手になった2019年08月18日

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[1]奥川の異次元の投球を裏付ける数字の数々
[2]冷静かつクレバーだからこそ奥川は凄い

奥川の異次元の投球を裏付ける数字の数々



奥川恭伸(星稜) 写真=共同通信社

 2019年8月17日、奥川 恭伸星稜)が智辯和歌山打線相手に見せた投球は、長く高校野球史で語られることになるだろう。

 それだけ奥川の投球は記録にも、記憶にも残るものだった。
 まず記録面。延長14回を投げて、23奪三振、1失点(自責点0)、3四死球(1四球)、被安打3。しかも四球1は延長11回に出したものだった。投手の制球力を示す指標の1つであるK/BBは23.00、14回を投げて165球と、1イニングあたり11.78球。

 大会通してみると、25.1回を投げ、35奪三振、自責点0、四死球5(四球3)、奪三振率12.54、K/BBは11.66と恐ろしいほどの数値である。そして3試合25.1回で投げた球数は298球。1イニング換算すると、11.87球。これほど三振を奪って、約12球以内に収めてしまうのは、それだけ奥川の高い制球力、空振りをせざるを得ない奥川のストレート、変化球の威力が際立っている証拠だろう。

 そんな智辯和歌山打線はどう奥川対策を行ったのか。
 「ボール球は見逃し、甘く入ったボールは確実に打ち返し、ストレートをしっかりと打ち返すこと」と語るのは9番綾原 創太。しかしその智辯和歌山打線の思惑通りにはいかなかった。いや智辯和歌山打線だからこそ、このような投球が成り立ったのかもしれない。奥川は言う。

 「智辯和歌山打線は本当に怖い打線でした。黒川君、ホームランを打っている2番細川君だけではなく、下位打線もしぶといですし、自分が持っているすべての球種で勝負をしないといけないと抑えられない打線でした」

 そのため4回表、黒川 史陽には142キロのフォークを投げ三振に奪った。あえてこの試合まで隠したかのように見えるが、「精度に自信がなかったんです。それでも投げる必要がありました。あのフォークで打ち取ることでフォークがあるぞと思わせることができるからです」
 そして智辯和歌山で最も頼れる黒川から三振を奪ったことは大きなダメージを与えることになる。それ以降、智辯和歌山打線は沈黙した。

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星稜 【高校別データ】

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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