第1回 近畿地区記者・小中翔太氏が選ぶ今年のベストゲームTOP52015年11月09日

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【目次】
[1]5位:秋季大阪大会2回戦 牧野vs関西大倉 / 4位:秋季大阪大会決勝 大阪商大堺vs大阪桐蔭
[2]3位:秋季近畿大会決勝 大阪桐蔭vs滋賀学園 / 2位:春季兵庫大会阪神地区Cブロック1回戦 宝塚東vs甲南
[3]1位:夏季大阪大会決勝 大阪偕星学園vs大体大浪商

「各地区のドットコム記者が選ぶベストゲーム」では、全国各地のドットコム記者の皆さんに、今シーズンで最も心に残っている試合を5つピックアップしていただき、振り返っていただく新企画です。第1回では、大阪・兵庫・京都などの近畿地区を中心に観戦していただいている小中 翔太記者に今シーズンのベストゲームだと思うトップ5を伺いました!

 観ていておもしろいと思えるのは意図の見えるプレー。配球にしても守備位置にしても「一生懸命頑張りました」ではなく「こういうリスクは承知の上でこういう選択をした」と説明出来るプレーにはキラリと光るものがあり、思わず唸らせるものがある。

 実力差があってもひっくり返せるのが野球というスポーツであり、何が起こるかわからないのが高校野球。ヒットやエラーは野球の重要な要素だが打ったから勝った、ミスしたから負けた以外の部分や、もっと言うならプレー以外の部分にどれだけ惹かれたかを基準に選びました。

5位:秋季大阪府大会2回戦 牧野vs関西大倉

2年ぶりの勝利以上の涙のワケ

辻本 淳之介主将(牧野)

 夏の大会が終わった直後、3年生の引退と共に4人の2年生が部を離れた。その結果、26人いた部員がわずか5人に。実戦的な練習はもちろん出来ず、一時期は連合チームでの大会出場も視野に入れていたが、大会2週間前にして離脱していた4人が復帰。

 9月に入ってからようやく新チームのスタートを切った牧野、少ない人数ゆえ投手交代する度に大幅にポジションを変更していたが、アンダースローの器用な1年生投手に同級生がいなくなっても1人で野球部の看板を背負い続けたキャプテンらが奮闘し、部員数40人を超える関西大倉に勝利。現役部員にとっては初、学校としても2年ぶりとなる勝利だった。

 出場することすら危ぶまれた中での勝利にキャプテン、監督、保護者は涙を浮かべていたが、牧野は続く3回戦にも勝利し、4回戦で敗れはしたが1対2と善戦。決してフロックではないことを証明して見せた。(試合レポート

4位:秋季大阪府大会決勝 大阪商大堺vs大阪桐蔭

対大阪桐蔭用のスペシャル継投

大阪商大堺エースの神田 大雅投手にどうつなぐかがカギだった。

 秋の大阪決勝大阪桐蔭と対戦した大阪商大堺、先発マウンドに立ったのは超がつくほどの軟投派左腕・東山 一樹だった。エースは140km/h近い速球を投げ込む長身右腕の神田 大雅。しかし強力大阪桐蔭打線に真っ向から挑んだのでは望み薄。そこで静 純也監督が採った作戦は5回までに3人の投手をつぎ込んで3点差以内に抑え後半勝負に持ち込み、6回以降のマウンドをエースに託すというものだった。

 先発から2人目、2人目から3人目、そしてエースへとつないだ継投は交代する度に球速が増す。少しでもタイミングを狂わそうと、先発左腕が失点を重ねても残像を残すためにすぐには代えなかった。ビハインドを背負う展開ながら狙い通り終盤勝負に持ち込むと、打線が7回につながり試合を振り出しに戻す。そのまま延長戦に突入すると13回に盗塁が相手のミスを誘いついに勝ち越しに成功。何度もピンチを招いたエースも8回1失点で勝ち投手に。セオリー通りに最初から先発していれば8回1失点という結果は難しかっただろう。ハマらなければ序盤で試合が終わる可能性もあった大胆な継投で横綱に土をつけた。(試合レポート

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大阪桐蔭vs明石商【2019年秋の大会 令和元年度 秋季近畿地区高等学校野球大会】
大阪桐蔭vs立命館守山【2019年秋の大会 令和元年度 秋季近畿地区高等学校野球大会】
神村 月光(滋賀学園) 【選手名鑑】
神田 大雅(大阪商大堺) 【選手名鑑】
大阪商大堺 【高校別データ】
大阪桐蔭 【高校別データ】
関西大倉 【高校別データ】
甲南 【高校別データ】
甲南 【高校別データ】
甲南 【高校別データ】
滋賀学園 【高校別データ】
宝塚東 【高校別データ】
牧野 【高校別データ】

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プロフィール

小中 翔太
小中 翔太
  • 1988年大阪府生まれ、京都府宮津市育ち。大学野球連盟の学生委員や独立リーグのインターン、女子プロ野球の記録員を経験。主なWebの寄稿は高校野球ドットコム。また、野球専門誌「Baseball Times」にて阪神タイガースを担当し、スポーツナビやYahoo!ニュースにも寄稿する。大阪、京都を中心に関西の球場に出没中。
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