第54回 秋山拓巳【後編】「大化けの理由は目的の明確化」2018年02月06日

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恩師が語るヒーローの高校時代 秋山 拓巳

【目次】
[1]「勝てる投手」の扉を開け、春夏連続甲子園へ
[2]高校での上昇過程と悔しさ糧に、「10点満点」を目指せ

 昨年は西条(愛媛)高卒8年目で12勝をマーク。虎のエース格に駆け登った秋山 拓巳(阪神タイガース)。2009年にドラフト4位で入団し、ルーキーイヤーに4勝をあげた以来の歓喜を聖地・甲子園にもたらした。では、188センチ97キロの恵まれた体格を持つ右腕は高校時代、どんな日々を過ごしてきたのか?今回は、当時の西条高監督、現在は新居浜南高で監督を務める田邉 行雄さんに当時のエピソードを語って頂きました。

 後編では大化けした2年秋以降についてお話頂きました。

恩師が語るヒーローの高校時代 秋山拓巳【前編】人生を変えた『2年夏の一戦』を読む

「勝てる投手」の扉を開け、春夏連続甲子園へ


国体で好投を見せる秋山 拓巳投手

 2年夏の新人戦後に、秋山にもう1つ話をしたのは「お前はいい投手だけど、勝てる投手ではない。今度は9回まで抑えられる、勝てる投手になろう。」ということ。結果、3年夏の愛媛大会までには体重も95キロになりましたし、ストレートは最速150キロ。ツーシームとカットボールも投げられるようになりました。よって苦し紛れのストレートが減って、投球の幅ができ、ピッチングができるようになったんです。

 2年秋は愛媛県大会で危ない試合もありましたが、準々決勝の松山聖陵戦に徳永が投球で救ってくくれたことで、秋山も救われた。秋山にも強烈なライバル意識を持つ徳永の存在が彼を育ててくれたと思います。(結果は県大会・四国大会優勝、明治神宮大会ベスト4)本当に新人戦後の「あの2カ月」で大化けしてくれました。

 実は、一昨年までの阪神タイガースでの彼を見ていたら、西条の1年夏から2年夏までの「どうしよう」という感じに僕には見えました。それが昨年は「何をすべきかわかっている」姿に見えた。2年秋の「あのころ」とそっくりでしたね。

 2009年の夏前に、ハワイ州選抜との親善野球があった時、愛媛県選抜で一緒だった済美の宮崎 太郎(法政大~Honda鈴鹿)からカットボールを教わったことも大きかったです。翌日の練習試合では面白いように三振が取れ、夏の愛媛大会も準々決勝で帝京第五の平井 諒(東京ヤクルトスワローズ)相手に最高の試合をして、春夏連続甲子園に出られました。 

 甲子園は、センバツこそ全く周りが見えないまま戦ってしまいましたが(2009年春はPL学園に0対1で敗戦)、夏の初戦、八千代東は「帰ってきた」という気持ちで冷静に戦えました(3対2で勝利)。明豊戦は以前の練習試合で6対6で引き分けていたんですが、勝利への執念が足りなかったと思います(0対4で敗戦)。

 秋山は2年秋の四国大会準決勝・高松商戦でバックスクリーンに満塁ホームランを打って、打撃でも話題になりました(高校通算48本塁打)。ただ、本当は四国大会前の打撃状態は最悪。何度も特打ちをさせて、バッティングの感覚をつかませたことを覚えています。逆に状態のいい時は腰がよく回って、太ももの付け根が痛くなるくらいでした。

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秋山 拓巳(西条) 【選手名鑑】
西条 【高校別データ】
西条農・今治北大三島 【高校別データ】

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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