第54回 秋山拓巳【前編】人生を変えた『2年夏の一戦』2018年02月04日

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恩師が語るヒーローの高校時代 秋山 拓巳

【目次】
[1]1年夏、ライバルの快投後に学校で泣いた日
[2]「甘さ」との闘いを越えて

 昨年は西条(愛媛)高卒8年目で12勝をマーク。虎のエース格に駆け登った秋山 拓巳(阪神タイガース)。2009年にドラフト4位で入団し、ルーキーイヤーに4勝をあげた以来の歓喜を聖地・甲子園にもたらした。では、188センチ97キロの恵まれた体格を持つ右腕は高校時代、どんな日々を過ごしてきたのか?今回は、当時の西条高監督、現在は新居浜南高で監督を務める田邉 行雄さんに当時のエピソードを語って頂きました。

 また、今回は高校時代の秋山 拓巳投手、初公開の蔵出し写真も紹介していきます。

1年夏、ライバルの快投後に学校で泣いた日

秋山投手を指導した田邉 行雄さん

 僕が秋山に初めて会ったのは、今治東から西条に転勤した2007年4月。つまり秋山たちと僕は同時に西条高校へやってきました。

 以前から「西条リトルシニアから凄い選手が西条高校に入学する」という話は聞いていたんです。その時は「西条にはいつもすごい選手が入学するじゃないか」と思っていたくらいですが(笑)。でもいざ転勤するとなれば、西条は常に甲子園を狙わなければいけない名門。「自分がどうやって指導するか」ということだけを考えていました。

 そして実際に彼らに会った時、僕は「この選手たちであれば甲子園にいかなければいけない」はっきり思いました。それが秋山はじめ、井下 (真志・3年時主将・外野手・横浜国立大~現;台灣啤酒棒球隊)、徳永(翼・投手兼外野手・専修大)、司馬(知明・一塁手・同志社大)らの年代でした。

 秋山のキャッチボールを彼の後ろから最初に見た時、球筋には驚きでした。ボールにスピンがかかって、バッテリー間も近くてリリースも高い。「すごい世界だな」と。入学時から136~137キロは出ていました。

 ただ、秋山は入学当時の申告は85キロだったんですが……スポーツテストでの体重は97キロ。10キロ以上さばをよんでいて。「これはいくらなんでもデカすぎるだろ」ということを思っていたら、夏場になるとあちこちに痛みが出て、球速も130キロを切った。体力が全くなかったんです。逆に徳永は135キロくらい出ていましたから、1年夏の愛媛大会では徳永に背番号「20」を付けさせて、秋山はベンチ外にしたんです。

 2回戦の伯方戦、8点リードの8回裏に徳永を投げさせたら三者三振でコールド勝ち。その後です。秋山は学校に戻ったら「おりゃー!」と吠えながらブルペンで投げていました。よほど悔しかったんでしょう。刺激になったんだと思います。

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秋山 拓巳(西条) 【選手名鑑】
西条 【高校別データ】
西条農・今治北大三島 【高校別データ】

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
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